コトノハ江戸草子 幻の海

作者 九藤 朋

深い哀しみが海辺の砂のように散り広がる様。

  • ★★★ Excellent!!!

コトノハの力を継ぐ者は
どんな世にあっても、恐れられ、取り入られ
力尽くで屈せられてしまう。
人は、自分にないものを閉じ込めようとする。

「コトノハ薬局」でも、その異能の力をどう使うかは
その人それぞれの心に呼応するものであった。

抗う、抗えない、その取捨選択をするのは
無邪気な娘には難しかったであろう。

ただ、たった一人の大切な人が
自分をその異能故えではなく必要としてくれた時
彼女の心に咲いた花を想って、涙する。

悲しいのに、願いが叶ったと安堵してしまう。

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