第16話 星の探索に関する平凡な考察
星の探索に関する平凡な記述
もし、人工知能やロボットがこのまま順調に発展して、政治家が人工知能に置き替えられ、警察や軍隊が人工知能の支配下に入って、人類にとってびっくりするくらい幸せな未来がやってきたとする。
そうしたら、人類はハクスリーの「すばらしき新世界」にあるように人工子宮で子供を作り、好きなだけ避妊してセックスができるようになるかもしれない。
そしたらだよ。その時、人類はまだ星の探索をするだろうか。もう人工知能のが賢くて、人類のどんな天才も人工知能には敵わなくて、それで、充分、人類は幸せになっても星の探索をするだろうか。
月の資源を削り、惑星探査機を宇宙へたくさん飛ばして、彼らを探す。ぶっちゃけ、第二の地球なんて探す必要はない。開拓したければ開拓すればいいけど、地球に似た星であっても地球そっくりの星ではない。生きていくには不都合がたくさんあるだろう。人工閉鎖環境系が完成していなければとても宇宙に開拓するのは無理だ、だから、惑星探査機をたくさん宇宙に飛ばして、彼らを探すことになる。
ああ、もうこんな出来事に関して、ぼくが今さら付け加えることなんて何もないんだよ。彼らが見つかったら、生きるか死ぬかの大勝負になる。それはすごい修羅場だ。人類は大騒ぎになるだろうね。
「宇宙人が見つかったんだ」
そんなことを聞けばみんなおおびっくりさ。人類の飛ばした惑星探査機から宇宙人がどんな人物像を描くか。地球を探すだろうか。おそらく宇宙人は地球を探すだろう。その結果どうなる。生存の危機が増えるだけだ。それでも、星の探索をするべきなのか。
絶対に人類が滅びることのない選択肢を選んで宇宙人を探すことになる。そしたら、簡単にいえば、地球の位置は隠さなければならないだろう。
こんないくらでも書かれてきたような平凡な話を、技術的特異点を前にして書き記しておく。ことはこういうことなのだと思う。人類が宇宙に直接進出するには紫外線を克服しなければみんな死んでしまう。
人類と動物との関わりのたどり着いた答えが人類による絶対なる支配である以上、宇宙人と対話はできないと思う。残念ながらこれが現実的な答えだ。
それでもやっぱり、探したいんだろうね。人類は星の探索をするだろう。
「おれたちは一人ぼっちじゃなかったんだぜ」ってただそれだけを噛みしめたいがために絶滅の危機を犯して星の探索をしてしまうのだろう。ああ、より多い知識は生存に有利だ。だから、星の探索をあきらめることはない。
地球人側から会いに行かなければならない。宇宙人に先に来られるのは怖い。地球から、宇宙人を訪れ、地球の位置は隠すのだ。惑星探査機にも地球の位置を書くべきではない。この選択に人類が何億年と生きのびるか、たった数千年で滅んでしまうかがかかっていると思う。
2017年3月10日
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