第10話 混沌の中の命
自分は常に死ぬ運命にある。だから、自分の複製を作ってどんどん混沌の中へ飛ばし、混沌の中でどんどん死んでいく。こいつも、あいつも、みんなあたしだ。死ぬんだ。絶望の混沌の中で死ぬんだ。絶望の混沌の中で、死ぬよりたくさん自分の複製を作って生きのびる。それしか自分たちが生き残る手段はない。混沌は変幻自在で、あたしたちは死ぬことを逃れられない。どんどんあたしたちは死ぬ。
そして、いつかあたしたちが死なないでいられる存在の組み合わせが見つかる。そこが宇宙の始まりだ。
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