11 近代から現代の東京の呼び名

 明治維新になって東京府が置かれると、近代化の大きなうねりの中で東京は大きく発展するとともに、様々な地域の呼び名が誕生した。


 東京府は、1868年・・・明治元年に江戸は東征してきた薩長軍の軍政下におかれ、『江戸府』が置かれたことで始まった。

 幕府が朱線を引いた土地(朱引内町)を『市街地』とし、朱引地外を『郷村地』定めた。さらに『市街地』の人口1万人を1区として区分けして線を引いたのが、今の『23区』の始まりで、当初は50区に区分けされていた。

 その後「江戸ヲ称して東京ト為スノ詔書」により『東京府』となった。この時の『東京』の読み方は『トウキョウ』ではなく『トウケイ』とよませ、漢字も『京』は口の中に横一文字が入る『亰』という文字が使われていた。

 現在調布市と三鷹市にまたがる調布飛行場の正門入口に残る石造りの門柱には『東亰調布飛行場』と記されている。


 1871年(明治4年)に廃藩置県が行われると、武蔵野国荏原郡、豊島郡、多摩郡、足立郡、葛飾郡の一部が東京府の管轄となり、ほぼ現在の東京都の形が形成され、一時『多摩郡』が神奈川県に編入されるなど多少の出入りがあったものの、東京府は1943年(昭和18年)まで続く。



1 都下・三多摩

 たとえば『東京23区内と東京都下』と言ったりする。

これは東京府の時代に東京市内(現在の23区にほぼ重なる)と東京府下(現在の多摩地域に重なる)という呼び方をしていたことから、1943年(昭和18年)に東京都になった後も、「東京23区内と東京都下」という呼び名が残って現在まで使われている。



2 都心・副都心

 東京産業労働局発行の「東京の産業と雇用就業」では、次のように23区部を分類している。

 ◆都心地域

  千代田区・中央区・港区


 ◆副都心地域

  新宿区・文京区・渋谷区・豊島区


 ◆城東地域

  台東区・墨田区・江東区・荒川区

  足立区・葛飾区・江戸川区


 ◆城南地域

  品川区・目黒区・大田区


 ◆城西地域

  世田谷区・中野区・杉並区・練馬区


 ◆城北地域

  北区・板橋区


 ◆都心地域のことを都心3区ともいうことがある。


 ◆都心3区に新宿区、渋谷区を加えて都心5区ということもある。


 ◆東京都の定めた都市計画の副都心は次のとおり。


  新宿新都心、池袋副都心、渋谷副都心

  上野・浅草副都心、錦糸町・亀戸副都心

  大崎・品川副都心、東京臨海副都心



3 気象庁による警報区分

 各種気象情報を発令する場合の区分は次のとおりだ。

 ◆23区東部 

  台東区、墨田区、江東区、荒川区、足立区、

  葛飾区、江戸川区・・・以上7区


 ◆23区西部 

  港区、新宿区、品川区、目黒区、大田区、

  世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、練馬区、

  千代田区、中央区、文京区、豊島区、北区、板橋区

  ・・・以上16区

 港区や千代田区、中央区が「23区西部」にはいるのは、ちょっと違和感を感じるのは私だけだろうか?



4 ナンバープレート

 ナンバープレートに記載される陸運支局の地名は、次のとおり。

 ◆品 川

  千代田区、中央区、港区、品川区、目黒区、

  大田区、世田谷区、渋谷区、島嶼部


 ◆練 馬

  新宿区、文京区、中野区、杉並区、豊島区、

  板橋区、練馬区、北区


 ◆足 立

  台東区、墨田区、江東区、荒川区、足立区、

  葛飾区、江戸川区


 ◆八王子

  八王子市、あきるの市、日野市、福生市、

  青梅市、羽村市、西多摩郡


 ◆多 摩

  立川市、武蔵野市、三鷹市、府中市、昭島市、

  調布市、町田市、小金井市、小平市、東村山市、

  国分寺市、国立市、狛江市、東大和市、清瀬市、

  東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、西東京市


 改めて聞かれるとよくわからなかったり、するものではないだろうか。

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