第14話
「じゃあ何?」
かなが不満げに顔を歪める。
「事の始まりは、ある女の人が離婚をされて家を追い出されたのね」
「うん」
「それで子供を溺愛してたから、離婚しても子供を引き取りたいって言ったんだけど、裁判で負けちゃって連れて行けなかったの」
「へぇ~可哀想に」
かながあんまり可哀想じゃなさそうに相槌をうった。
「それからしばらくして、その女の人が病気になったのね」
「え? そんなの可哀想じゃん」
「うん。まぁ、でね。それがもう治らない病気で、どうしても最後に子供に会いたくて、会いに行ったのよ」
「うん」
「で、そのときに子供の髪の毛をバレないように持ち帰ったんだけど」
「何の為に?」
「それは知らないわよ」
いちいちくだらないツッコミを入れるかなに、亜希奈は面倒くさそうな顔をした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます