手探游 〜テサグリユウ〜
4月4日
「おぉい、プロデューサー」
「何? どうかしたの?」
細くすらりと伸びた脚を組み、ソファーに寝転がってファンの女子中高生からイケメンボイスと言われている声と同じものだとはとても思えない苛立った声で叫ぶ手探游さんに僕は嫌々返事をした。
「飲み物ぉ!」
「今は忙しいから自分で持って来て」
「プロデューサーでマネージャーだろ? 良いから早く持って来いよぉ!」
仕事はしっかりとしてくれるのだが、僕や仲の良いアイドルと2人きりになった時に限って口が悪くなる游さんにため息を吐きながら、僕はゆっくりと立ち上がった。
「プロデューサー?」
プロジェクトルームを出て行こうとすると游さんが起き上がって僕をぎろりと睨みつけていた。
「おい、冷蔵庫はそっちじゃねぇぞ」
「わかっているよ。僕は次の仕事に向かわなくちゃいけないからお留守番よろしくね」
プロジェクトルームを出ようとした瞬間、游さんが珍しく寂しそうな顔をしているのが僕の目に映った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます