五条優貴 〜ゴジョウユキ〜
1月15日
「五条さ~ん、こっち向いて~」
「あぁ、いつも応援ありがとう」
「五条さん、今回出したCDの売り上げに関して一言お願いします」
「いつも通り歌っただけだ。売り上げについて語る事は無いけど、SNSでまだCDが買えていないファンが多くいると聞いた、申し訳ないがもう少しだけ待っていてほしい。これを売り上げに関して答えられなかった代わりの答えにしてほしい」
「お疲れ様。五条さん」
「君まで五条さん呼びをするのはやめてくれないか」
18歳でありながら誰もが尊敬の眼差しを向けるほどのカリスマ性を持っている五条優貴さんは呆れながら事務所の出入り口で偶然会った僕にそう言った。
「そう言えば、4月から夕方のニュース番組にコメンテーターとして週に1度出演して欲しいって依頼が来ていたけど、やる?」
「週に1度だけなら」
付き合いが短ければ二つ返事のようにも聞こえるが、付き合いの長い僕からしてみれば随分と考え込んだとわかる間を取って優貴さんは答えた。
「はいよ。それから……センター試験お疲れ様」
いつもは高校生に見られない優貴さんを1人の高校生として労い、僕はプロジェクトルームへ、優貴さんは高校生扱いされるのが慣れていないためうっすらと頬を紅色に染めてレッスンルームへ向かった。
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