大原南娘 〜オオハラナコ〜

1月10日


「プロデューサー、ジグソーパズルって難しいね」


 昨日、新しく出来たばかりのアウトレットモールを巡るというロケでジグソーパズルの店に興味を持って、ロケ後に自費で1000ピースのジグソーパズルとそれに対応したおよそA2サイズの額縁を購入した大原南娘ちゃんはプロジェクトルームの片隅でかれこれ2時間は初挑戦のジグソーパズルと格闘していた。


「まぁ、1000ピースだからね」


「今日中に出来るかな?」


「南娘ちゃん、ジグソーパズルはアイドル活動と同じで焦っていたら出来るものも出来なくなっちゃうよ」


「でも、ずっとこの場所に置いていたら邪魔になるでしょ?」


「完成するまでの数日くらいなら大丈夫だよ」


 こうなることは最初から予想をしたうえでこの場所を貸していたのだし、僕のプロジェクトルームはプロジェクトに所属しているアイドルの多さから広すぎるくらいのルームが割り当てられているので一角を使ってもスペースにはまだ十分過ぎるほどの余裕が残されている。


「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます」


「完成するのを楽しみにしているよ」


 完成したら、プロジェクトルームに飾ってあげることにしようと僕はこの日心に決めた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る