三浦勝利 〜ミウラショウリ〜



 休みでも自主的にレッスンをする。クリスマスライブまで残り日数が僅かとなっている今ではそのように行動するのが当たり前となっている。


 しかし、俺はあえてレッスンをしないという選択をした。


「よし」


 放課後すぐに事務所の男性寮に帰って来ると予想通り皆、自主レッスンの為に事務所に行っているようで寮の中はほとんど人が居なかった。


 わかっていたこととはいえ、これはラッキーだった。


「フンフンフ~フフン、フンフンフ~」


 鼻歌交じりに俺はプロデューサーにお願いして録画、ダビングしてもらったレッスン中の俺のダンス映像が収録されたDVDを寮にある一番大きなテレビに接続されたDVDプレイヤーにセットして再生した。


 俺はメモ帳を片手に何度も同じ場面を再生しては踊っている時には気付かない俺の癖をメモ帳に細かく記入した。


「こんな所か」


 A5サイズのメモ帳いっぱいに書かれた癖を一つ一つ確認した俺はDVDを停止して、自室で入念にイメージトレーニングを行った。

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