新庄まひる 〜シンジョウマヒル〜

「ふわぁ~」


 和水プロダクションの仮眠室で大きな欠伸と共に目覚めた俺は小さな欠伸を何度も繰り返しながら仮眠室を出た。部屋を出てすぐの所にある自動販売機で俺は缶コーヒーを買おうとした。


「ん?」


 和水プロダクションの自動販売機で売っている缶コーヒーはどれも100円とリーズナブルな価格設定になっている。しかし、俺の財布には10円玉が9枚しか入っていなかった。


「だからと言って1000円を崩すのもな」


 そう考えている内に俺の瞼はゆっくりと閉じ始めた。


「ワーオ! マヒルさん、こんな所で居眠りしたら風邪ひくよ~」


「その声、カミちゃん?」


「そ~そ~、呼ばれて飛び出て、呼ばれなくても飛び出ちゃう~ みんながアイドル真上・アンジェリーノちゃんだよ」


 みんな「が」ではなくて「の」ではないのかというツッコミは置いておくとして、良いタイミングで来てくれた。


「カミちゃん、1000円札両替できないかな?」


「はいは~い。真上銀行開店で~す。え~っと、1000円札なら500円玉1枚と100円玉5枚でど~お?」


「あぁ、それで両替してくれ」


「は~い」


 俺はカミちゃんから500円玉1枚と100円玉5枚を受け取り、両替してもらった100円玉を1枚消費して缶コーヒーを購入した。

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