斎藤幸人 〜サイトウユキト〜

「幸人、元気にしていたようだね」


「よう、真暮。お前も相変わらず痛いようで何よりだ」


 海外ロケから帰ってきて久方振りに幼馴染の妖真暮と会った俺はいつも変わり映えしない日常に懐かしさを感じながら話を始めた。


「そう言えば、旅先で色々とお土産を買って来たんだ」


 行く先々で本当に色々と買って来たのだが、流石に全てを持って来るのは大変なので真暮が喜びそうなものと、この後で収録する真暮のラジオのスタッフに差し入れするお菓子を持ってきた。


「ほら、好きだろ?」


「良いセンスしているじゃないか」


「お前のセンスがわかりやすすぎるだけだろ」


 俺が真暮に渡したのは買った国ではお守りの様なものとして多くの人が持っている羽のような形をした彫刻だった。


「どうせ黒くてカッコいいなら喜ぶだろう?」


「そうとは限らないが、これはありがたく受け取っておくよ」


 真暮はそう言うとその彫刻を自分のスマートフォンにストラップとして装着させた。


「喜んでもらえたなら何よりだ」

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