白杖九十九 〜ハクジョウツクモ〜

 レッスンルームを一部屋貸し切り練習する尾上劉、飛鷹脩、白杖九十九は今月末に行われる夏フェス限定でユニットを組むことになっていた。


「良いんじゃない? 最初の頃よりは形になってきたよ」


「と言っても、まだファンに披露できるほどではないですけどね」


「我らは、無限に、進、進化、する」


 そう言い立ち上がろうとする劉だったが、九十九に両肩を抑えられた事で立ち上がることが出来なかった。


「劉の言う通り、頑張れば頑張るほど無限に進化できるかもしれない。でも頑張りすぎて倒れて、夏フェスに出られなくなったら……」


「九十九の言っていることは極端な例にすぎないけど、おじさんも九十九の意見に賛成だ。頑張るのは悪いことでは無いけど、おじさんは休むことも同じくらい大切だと思うよ」


「休み過ぎて一から覚え直しになるのも困りますけど」


「こらこら、ネガティブにならない。今日はもう休んで明日また頑張ろう」


 九十九たちは無限の進化の希望を胸に抱きレッスンルームを出た。



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