少女冒険譚 フェル・ナ・シュルア

作者 鯉川春松

20

8人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

――

冒険の醍醐味である、未曾有の喜怒哀楽がみっちり詰まった、
七転八起の正統派ファンタジー作品です!一頁目の最後の行まで読めば、
アナタもそう確信することを約束しましょう。

そんな驚きの利いた展開を補って余りある、
細やかな描写も抜きん出ていて――情景、人物、装置の魅力をこれ以上ないほど引き立てています。
かといって、冗長でもなく短絡でもない。バランスに富んだ文章には隙なんてとても見つかりません!

ファンタジーに迷ったらコレを――と、真っ先に太鼓判を押せます!
皆さんも是非、この上質な魅力に取り込まれてみましょう! そして樽っ子の魅力も味わってください(笑)

ではまた、本日もお疲れ様です!

★★★ Excellent!!!

――

 初めてこの作品のあらすじを読んだ時の第一印象を正直に申し上げます。それは、
「ひょんなきっかけから冒険者を目指すことになった主人公、って感じね。まあ、よくあるやつだな」
 というものでした。
 これが、まったくの誤りであったことに気づいたのは、読み始めてすぐのこと(作者様、ごめんなさい!)。
 確かに、冒険者ギルドの存在や冒険者のランク制など、いくつかの舞台装置はありふれたものであると言えるかもしれません。しかし、この物語はまったく陳腐さを感じさせない仕上がり。それは、作劇とキャラクター描写の妙によるものでしょう。
 主人公コーリーの放校処分に始まる物語は、のちの相棒となるアトラファと出会い、冒険者ギルド登録を経て最初のピンチとの遭遇へと展開します。その過程が実に小気味よいテンポで進み、同時に世界観も自然と読者の頭に刷り込まれるつくりになっています。この序盤の展開で、すっかり話に惹きこまれてしまいました。
 キャラクターも個性豊かに描かれています。
 ひたむきな頑張り屋であるコーリーと、常人には理解できない突飛な行動を取る不思議系アトラファのやりとりは、微笑ましくもあり、また時にはハラハラさせられることもあり。彼女たちが徐々に絆を深めていくさまには、心動かされます。
 このコンビに負けず劣らず魅力的なのが、二章に登場する〈学びの塔〉の女学生の面々。多くのキャラが登場しながら、一人一人がきっちりと書き分けられ、互いの立場の違いや関係性も過不足なく描かれます。
 物語的にも、二章は一章とはかなり毛色の違ったものとなっています。この切り替わりにも驚かされました。
 また、街並みや人々の生活の描写も臨場感たっぷり。食事の場面も非常においしそうなのも特筆すべきポイントです。

 さて、冒険譚と銘打たれたこの作品ですが、レビュー執筆時点ではその物語のほとんどが王都ナザルスケトル内で…続きを読む