第276話 二人の出会い【クエスト【夢閻神界編:奴隷の子供を村へ③】】
「お前達盗賊の一味か?」
「違うが、お主では、話にならぬ王種族のヒトク・スイエイ長と話がしたい」
「信用できぬが、何故ここの種族の纏め約であらされる方の名前を貴男が知っている?」
どうやらこの男のみが、知っているみたいで、周りの種族の者達は、今だに警戒をとかないでいる。
「儂の名前は、ダイトカイトと言えば、解ってもらえるはずじゃが?」
それから、数分程経つとヒトク自らここに、来るが……昔と違いかなりの年齢を取っているようにも見える。どうやら念話を通していた様子で、ヒトク自身が知合いだと解ったまでは、よかったのじゃが、自ら出迎えてくれるとは、思ってもいなかった。
かなりの種族が、ぞろぞろと周りを囲んでいるのが遠くから見える。先ほどまで警戒していた種族に至っては、片膝をついているのが解る。かなりの速度で、ヒトクは、入口に到着するが、後からかなりの種族が、追いつこうとしても虚しく置いてかれると言う図にも見える。
「ダイト久しいのう~」
「お主は、ちと歳を取ったように見えるぞ?」
「ヒトクよ?」
すると、念話が直接飛んでくる。
「本来の姿でいると、長老らしく見えないとここの先代の王から言われて、老いているようにみえるだけじゃよ?」
「そうなのか、それなら安心したぞ」とダイトは、答える。
ここでは、話にならないからヒトクから言って、儂の知合いとお主のみで話がしたい事と道中で、助けた子供を目の前に、連れて行くと子供達は、親らしき所に、走って向かうのだった。
「それじゃ~」
「儂の家に行くかのぉ~」
「「お供は、必要ですよね!」」
「お主達には、ちょいと後で、しっかりと儂からの話があるからそれについての弁解を今のうちに考える時間をやろう」
「「はい……解りました」」
部下たちの表情が、凄く暗くこの後何が起こるのかが予想が出来たのじゃが、あえて助けぬことにした。何故なら今後も似たような対応をするようならば、切られるなり何かの交渉が消滅する事だってあるのだろうから一度見直す事も今後のここでの生活に、役にたつだろうからあえてなにも言わぬままヒトクの後を追う。部下たちの姿が消えて誰も居ない事を気配を感知するスキルを使い居ない事を確認するなり儂が知っているヒトクの姿に戻る。
「やはりこのかっこが、一番しっくりくる」
「そうじゃな、確かにその姿が一番儂も付合うのが楽じゃ」
「それよりお主もついに結婚をしたのか?」
「それもこの様な可愛いく美しい女性二人と?」
「いや、儂は、結婚しとらんぞ?」
「この二人は、儂のつれじゃよ?」
「あ、申し遅れました…私は、ロリ―キャメロンと申します」
「ダイト様のパーティーに、誘ってもらいまだ日が浅い者ですが、宜しくお願い致します」
「僕は、神浪である皇楼(おうろう)お父様の娘で、穂樺と申します」
「し、神浪て、あの皇楼様の娘様か!」
「はい、お父様がそんなに有名だったとは、知りませんでした」
「有名どころじゃないぞ、神話に出てくるくらい本がいっぱい出版されているくらいじゃぞ?」
「そうだったのですか、何もお父様から聞いて居なかったので、これは、失礼いたしました」
「神浪様も良い娘を持ったものじゃな?」
「穂樺よ、普通に喋らんとどうしても儂が、笑ってしまう」
「失礼ですね、ダイト様これが、普段の僕ですが、どうしてそんな言葉を?」
「お父様から、初めてあった人には、きちんとした挨拶をするように、言われてます」
「その為か、どうしてもこのような喋り方になってしまいます」
「仕方ない、穂樺これを食べてみてくれるか?」
儂は、穂樺の口に、赤い実の果物を入れる。その名も『糖甘誘(かんみゆう)の実』と言う希少な食べ物を与える。穂樺は、昔からの癖で、儂が食べ物をあげると口が自然に開くと言う癖があるのを利用してみたのだが? そろそろ効果を表すだろう……
「ダイト様……何故か知りませんが、とても身体が火照るようなんですが、何かしましたか?」
「穂樺が、昔よく食べていた実を久々に、食べさせて見ただけじゃよ?」
「ダイト様!」
「ロリーよどうした?」
「あれは、猫族が食べるまたたびみたいな物ですよね?」
「ほぉ~」
「ロリーよ、その知識どこで、知ったのじゃ?」
「私が、昔住んでいた家の近くに、生っていた物と一緒と言うのと穂樺が来た時に、大量に食べさせてしまい大変な事になったので、実をみた瞬間わかりました」
「ダイト様は、これからヒトク様とお話があるでしょうから、私達は、二個隣のお部屋をお借りしますよ?」
「ロリーが、何となく怒った理由が解ったから、ヒトクよ部屋を借りるぞ?」
「屋敷は、広いのでどこを使っても構いません」
「ロリーよ、実を食べさせた儂も責任があるから、この結晶を四方の部屋角に、置くとよい声が漏れなくなる」
「それじゃ、穂樺をまかせたぞ?」と言って転移魔法で、部屋へと送る。
「お主も昔から変わらない事をするのじゃな?」
「何の事じゃ?」
「上手くけしかけて、儂と二人で、話す為だけに、口実を作る所が昔と変わらないと言っているだけじゃ」
「そんなに、今回大事な話なのか?」
「さすがに、あの二人には、聞かせられない内容なんでな?」
「そうか、なら仕方ないか……」
その頃部屋に、飛ばされた二人は、何故か部屋に、ふわふわしたシートが前面にひかれている事に気付く……これ、ふわふわで、暖かくて、気持ちがいいね! と穂樺が嬉しそうに、ロリーにもたれかかる。
「それより、穂樺は、大丈夫なの?」
「なんのことれすか?」
「言葉が、何て言うか緩い感じがするだけど?」
「そんな事無いですよ、試してみます?」
穂樺に、押し倒されたまま唇に、暖かい温もりが感じられる。そして、実の果汁が口いっぱいに広がると? どうやら私の種族にも効くらしく、頭がぼーとしてくる。これは、媚薬の効果があったはずだからどっちかが解除の魔法をかけないといけないのだが、二人とも媚薬の効果によって、魔法が封じられてしまっている。
「ロリー様……何か顔が真っ赤で、可愛いです」と穂樺は、舌で顔を舐め始める。
確かこれは、第一症状で、これが第五症状までくると記憶がなくなるまで不味い事が起こる事を昔の事件で、知っている……それも私が、穂樺に、実を沢山あげた時の出来事がこれから起きると言う訳なのだが、あの時と違って、どうにもする事が出来ずされるがままの状態になる。気になった事は、手に持っていたはずの結晶がいつの間にか部屋に仕掛けられている事が解り……ダイト様を少し恨んだのだった。
その頃ダイト達は、今回あった状況と今後の商会を潰すかについての話し合いをしている。
「今回の事で、大締めの商会がある場所が、いくつか検討できたのじゃが、儂と二人で潰しに行かぬか?」
「それは、お忍びで行くと言う事か?」
「勿論じゃよ?」
「お前の連れたちは、一緒に行かなくて問題ないのか?」
「そんな余裕は、今の状態からだと無いじゃろうから、落ち着く頃には、ぐっすりと眠っているはずじゃよ?」
「取りあえずお主の屋敷に誰も近づかないように、警告するのと、先ほどの話は、明日にすると念話で、飛ばしてくれると助かるのじゃが?」
「もし、屋敷に来て穂樺達と会う事があったら、この集落とお主と戦う事になるが、覚悟は良いかの?」
「それは、さすがに、儂がいやなので、念話で、皆に伝えておくぞ」
「警告しても侵入してくる輩が、おるならその二人が居る部屋から百メートルまで、結界を貼っておくから大丈夫じゃ!」
「なら問題は、ないのぉ~」
儂は、村の警備をしているトップに連絡を入れる。そして、状況を説明して、絶対に、ここに近づかないように、説得した所意外な返事が返ってくる。「先程の男性は、知合いと言っていましたが、あの二人の娘は、知合いではないのですよね?」と言って来るので、穂樺についてだけの情報を伝えると向こうの声が静まり返って来る事が解り、そのうえで、入口付近の庭に、居させて下さいと念話が来るが、屋敷より三百メートル離れた庭で、待機ならゆるそうと返事を出すと、無理言ってすみませんでしたとトップから返事が来るのじゃった。穂樺様の情報を言った事をダイト様に伝えると、それは、仕方のない事だから良いが、よく納得したのぉ~と言って来る。儂だけなら説得が出来る自身があるが、流石に、村人が神浪様の娘が寝ている所にくるなど罰にあたると言われるくらいびびったと言っている。それを聞いたカイト様は、かなり笑っておるが、そんな肩書がもしなかったとして、それに知らぬ顔で、ここにきていたら、皆全滅しているだろうと内心ほっとする自分がそこに居たのだった。
「そろそろ行く準備をしてきてくれ、儂は、終わったと同時に、行先に飛ぶから今夜中に、全てかたをつけるぞ?」
「裏組織にカースドルンベル商会の商会組合五件と本部を根絶やしにしにいくぞ!」
二人は、準備ができ次第組合方面に、転移魔法で移動するのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます