第243話 絆と約束【お爺ちゃんVs魔王サタン【後編】】

 「う~~ん」


 「サタンさんも可愛くなったからとりあえず設定させてもらったから!」


 「これが、その子の設定された名前と特徴かな?」



 シッコク・サタン

 種族:魔族

 髪:漆黒色の髪

 髪の長さ:腰くらい長いロングストレート

 瞳の色:漆黒色の瞳

 肌の色:褐色

 身長:百三十五センチ

 年齢:不明




 「これが、設定内容と装備武器の一覧が書かれているデータです」


 「宜しければこれを本日だけ持ってて下さい」


 「今回だけの装備なので、一時的取扱説明書をつくりました」


 「装備の点で、解らない事があったら言って下さい」とサタン様に、伝える僕であった。




 装備


 武器:双剣ラシル:神器:全物理攻撃60%ダメージ追加:セット効果発動により魔力と力と魔剣が強化される。

 

  

 防具:心理の兜:セット効果

         :力/魔力が45%カット・セット効果発動により魔力と力と魔剣が強化される。


   :鬼神のゴルゲット :セット効果

         :力/魔力が40%上がる・セット効果発動により魔力と力と魔剣が強化される。


   :龍神のスポールダー :セット効果

         :力/魔力が30%上がる・セット効果発動により魔力と力と魔剣が強化される。


   :邪神ガントレットダブル:セット効果

         :力/魔力が25%上がる・セット効果発動により魔力と力と魔剣が強化される。


   :龍神のスポールダー :セット効果

         :力/魔力が30%上がる・セット効果発動により魔力と力と魔剣が強化される。


   :堕天使の鎧:セット効果

         :防御力魔法/物理77%カット・セット効果発動により魔力と力と魔剣が強化される。


   :夜叉姫パウレソールレット:セット効果

         :力/魔力が40%上がる・セット効果発動により魔力と力と魔剣が強化される。


   :御子神のスカート:セット効果

         :力/魔力/防御が23%上がる・セット効果発動により魔力と力と魔剣が強化される。


   :スレープの靴:セット効果

         :極素早さが80%上がる・セット効果発動により魔力と素早さと魔剣が強化される。





 装飾:皇の指輪 NEW!

         :エンペラーの覇気を纏う:全身防御50%ダメージカット


   :魔王の指輪 NEW!

         :王の証:認めらし王により力/魔力共に55%UP


   :魔人の指輪 NEW!

         :力を20%UP:魔人の加護により状態異常攻撃50%UP


   :魔人のブレスレット NEW!

         :自分より強い者に20%防御無視のダメージを与える。



 「これをまとめて受け取って下さい…サタンさん?」


 「凄い装備だな……」


 「本当に貴様は、そんな見た目と真逆だが、まだ2歳になってないだと?」


 「ま……信じられる事は、ダイトカイトさんの孫であり、スノーちゃんの子供である事で納得したけど……改めて、渡された物をみるけどこれは……凄い装備凄すぎるのでは?」


 「最近武器とか装備類作って無かったので、最近の知識とリーヴスラシルの狩りでくれた素材等を入れて作った事とそれによって、自分の創作意欲にも繋がったので、逆に感謝しています」


 「憑依系の装備は、双剣ラシル以外は、後日返却でいいですけど?」


 「そのほかの装備は、記念として差し上げます」


 「双剣ラシルのリーヴスラシル君は、僕の傍にいてほしいので、それだけは、この戦い後に、返却して下さい」


 「その変わり、違う双剣を作りますので、それでこの先に何かやろうとしてると思いますので、その為に、使って下さい」


 「マリア殿は、この後に何があるか解っているのか?」


 「多分ですけど、予想は、出来ますが、僕には、それをやる事の意味が解りませんが、それを必要されているならやるのでしょう」


 「ま…成功した際は、きちんと挨拶に伺おう」


 「その時に、リーヴスラシル君にジャンヌさんを紹介するですね」


 「楽しみに待ってます」


 「いやはや……どこまで読んでいるのか解らないですが、流石マリア殿ですね」


 「さて、ダイトカイトお爺ちゃんも、準備に入るのですよね?」


 「ロリーお婆様が何かされるのですよね?」


 「マリアちゃんそこは、若返っている私なのだからせめて、お姉さんと呼んでね」


 凄い圧力を感じる……が、それにしないといけない感じがしている。何故かと言うとお母様に怒られている時の感覚に似ているからである。


 「わ…解りました!」


 「ロリーお姉さんが、王子様であるダイトお兄様に、凄い事をするて事ですね!」


 「ま、いいわ……」


 「ダイト様こちらに、来てくださいませ……」


 「何か結婚式の様で、恥ずかしいのう~」


 お爺ちゃんは、少し頬が赤いが、真直ぐにロリーお姉さんを見つめている。まさに、美少年と美少女の物語が、始まるのかと思ってしまう感じがする。すると後ろからお姉様が、お婆様とお爺ちゃん何か物語に、出てくる人物見たいと同じような発言が聞こえる……流石お姉様だなと思ってしまう。


 儂もジャンヌと先生の様な事をしてみたいと内心思ってしまったが、美女と幼女にしか見えないのが残念すぎる……ま、息子の嫁がヒメちゃんになったのは、ジャンヌも喜ぶ事が解っている事が嬉しいと内心思ってしまう。


 それにしても、儂が幼女とは……こんな姿絶対に、ジャンヌに見せられないなと内心思っていると?


 ハクから念話が飛んできて、その姿撮らせてもらったから後で、お母様に見せるねと伝えられる――


 念話で、「ハク怒らないから消すか、己を消されるか選択しとけ!」と言ったとたん真っ青な顔をしている……


 儂の息子なんだからそれくらいで、青ざめるなよと内心思ってしまうのだった。


 すると声が聞こえてきた――



 「そろそろ準備に入って下さい!」


 全体に念話が響き渡るように、マリア殿の声が聞こえる。



 僕だと目で追えない戦いになるのは、解っているので……お母様とお婆様が解説をして下さると言っていたので頼んである。その為か、僕とお姉様は、見る側として良い知識を学べるのだろうと内心かなり期待している事が凄く嬉しかったりしたのだった。


 辺り全体に声が響き渡る――






 「遍く星々の知家音し魂を焦がし燃やして我の元に訪れよ――」


 「汝の力を解放せぬのが神ならば、その力を我が示しに使おうぞ――」


 「巫女に、秘め魅し魅力の力を再現し、神々る己の悟りを思えれば――」


 「心悩まし虚けの子供と天に遍く心を持ちし子供達との戯れを――」


 「我、願う――」


 「我、思う――」


 「我、謡う――」


 「我、願いし思いを謡にして、永遠(とわ)の約束の『声』が響きを成して――」


 「願い奉る神子(みこ)とのままに――」




 両手を合わせて、「パン」と手を叩いた瞬間に、清らかな空気が一気に広がるのが、目に見える……


 その瞬間に、お婆様の服装が巫女装束に変わっている……その事をお母様に尋ねると実家は、何かを祀っていると言っていた。


 何かとは、何なのかは、不明だが、空気が変わった瞬間から辺りが一瞬にして、静まり返っている事が解る。


 じっと見つめていたはずなのに、いつの間にか刀が握られている事が解る。


 刀を抜く瞬間に、僕とお姉様が不思議な事が起きる――


 寒気と力を抜けていく事が解る。


 一瞬意識が飛んだと思ったら、ハクお兄ちゃんがお姉様を抱きかかえて、ヒメさんが僕を抱きかかえてくれた事が解る。


 お母様からこれが、初代が纏った力と言われるが、禍々しい力と温かみのある力が感じられる。


 意味で例えるなら、「天使」と「悪魔」が同時に降臨したようにも見えると言った方がよいだろうか――


 そんな事を考えていると? お爺ちゃんが、お婆ちゃんの近くに行くのが見える……近づくと手を背中にまわし抱き合う様になるのが見られるが……


 その後の光景が凄い事になっている――


 手に持っていた……禍々しい力をした刀をお爺ちゃんの背中から自分の心臓に向けて突き刺した――


 二人の口元から血が溢れるが、その溢れた状態で……二人は熱い眼差しをした状態からのキスをした瞬間に…二人の周りが、円を描くように、光が天界から落ちてくる……


 眩しい中二人の状態が、光で覆い何も見えない状態になる。数秒経つと? お婆様が、お爺ちゃんに、お姫様抱っこされた状態で、光の中から現れる――


 何が変わったのか不明だが、お爺ちゃんが使う予定だった剣ではなく……お婆様が先ほど持っていた『刀』が握られている。


 お爺ちゃんが歩き出す度に、水が泉に落ちるような光景が見えるような感覚が辺り一面に広がり……。


 幻影かと思うくらいお爺ちゃんの周りは、竹林が広がる中に、泉に一粒ずつの水が落ちていく瞬間が目の前に広がる……


 夢を見ているのかと思ってしまうほどの光景が見えるのだった。


 お母様を見てみると? 頬から涙が流れているのが見られる。


 「お母様どうして、泣いているのですか……」


 「この光景を昔みたような気がしてならないのと凄く心が痛いなって、思ったら涙が止まらなくて……」とお母様が語られる。




 「さぁ~」


 「始めるぞ?」


 「サタンよ――」



 僕の目の前からお爺ちゃんが消えたように見えるが、お母様から動くわよと声が後ろから聞こえる。


 双剣と刀がぶつかる音が響き渡るが、まったく僕とお姉様は、見えないので、お姉様と僕は、目を閉じて眠りに入り、念話を唱えて、お母様の目から見た状態を見る事になる。


 何かある意味憑依したようにも見えるが、動いたりする事は、勿論出来ずただ見ているだけと言った方が早いだろう。


 僕とお姉様は、凄い光景を目にする事になる。何と言うか、お爺ちゃんの動きが凄く……一振り事の動きが凄い綺麗に見えた。


 それを捌くサタンさんの動きも凄い事が解る……


 一つ一つの動きと攻撃が、凄すぎて僕達には、解らない領域だったように見える。


 これが、本当の闘いなのだろう――


 少しのかすり傷が、お爺ちゃんから鮮明に見えるが、サタンさんの方が、深手を負っている事が解る。


 お爺ちゃんの口が何かを喋っている動きが見えるが何を言ってるのかが解らないと思っていると? お母様から言ってる内容を教えてもらえた……


 「今、お爺ちゃんが、言っていた言葉だけどね、『サタンよ、お主に与えられし、装備と武器をどうして上手く解放が出来ていないぞ? 理解をしてその力を開放してみせろ――』


 「そのような事は、言われなくても解るわ――」


 やっと身体が、温まって来て、装備と武器にも馴染んできた事が解ってきている事も自分では、解るが……言われる前まで、出来なかった儂の力量が悪い事が解るのだが、上手く馴染めずにいた事と物事態に、憑依するイメージを持てれば出来る事も判明する」


 この装備と武器には、魂が宿っているのだからそれを纏うと言う事を初心に帰り学ぶ事で、本当の力を解放する事が出来たのだった。




 「これは、作り手の心が感じる――」


 「凄く温かみのある感じが全体に広がっていくのが解る――」



 「やっとお主もそれに、気づきよったか!」


 「これで、楽しい戦いが出来ると言うことじゃな?」


 「儂も自分自身の力を解放するか……」


 「ロリ―キャメロンよ、我の問いに答えよ!」


 「我は、お主を受け容れる事を此処に誓う――」




 お爺ちゃんは、両膝を地面についた状態で、斜めから刀を心臓に突き刺した……血が流れると思いきや、刀が血を啜っているのが見える――


 鮮明な血が刀に、反映されながら鮮やかな刃が出来上がる……ゆっくりと胸から抜き取るが、血が胸から流れず鮮明な色をした刀が出来上がる。


 「これぞ、修羅の魔刀」



 「修羅の魔刀て、何だろう?」


 「そうね、昔読んだ本によると…あらゆる物を切つけて、血を啜った事で完成したと言われると書かれていたのなら知っている」とお母様から言われる。


 「けど? この世に存在しない代物だとも書かれていたけど、実現する物なのね」


 「そう言えば、よくお母様が…封印と言ってますが、それに関係してるのでは?」


 「そう言えば、そうね……」


 「そこからの関連で、封印と言う言葉が生まれたとかは、ないですよね?」


 「そこは、私も解らないけど、戦いが終わったら聞いてみたら?」


 「あ、お爺ちゃんに聞けばいいのか……」


 「マリア?」


 「お姉様どうしました?」


 「多分だけど、お爺ちゃん聞いても教えてくれない気がするかな?」


 「一応解っては、いるのですが……もしかしたらと思っただけです」


 「こんな戦いが、起きるまでは、知らない情報だった訳ですし、答えは、無いに等しいと思います」


 「何だ…マリアも同じ考えなんだね」


 「そうですね」


 「いつか、その真相に…辿りつけたら良いですけどね」


 「そうだね」


 「そろそろ後半の戦いが始まるみたいですね」




 「フハハハハハハ!」


 「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」


 「汝の血を我に、吸わせろぉぉぉぉぉ!」



 修羅の魔刀から何故か声が聞こえる――



 「五月蠅いぞぉぉぉ!」


 「儂の言う事が聞けないのか――」


 「儂に、憑依しようとしても無駄じゃぁぁぁぁぁぁ!」




 「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」




 「儂の血でも舐めてろ!」


 「ここで、自害を失うな!」


 「ロリ―キャメロンよ、儂の嫁がここで、壊れるな――」


 「えっ?」


 「あの魔刀て、お婆様なの!」


 「あら、知らなかったのマリア?」


 「でも……あそこに、お婆様の体がありますよ?」


 「結界で、近づけないけど?」


 「心臓は、止まっているわねと言うか、時が止まっているが正解かしらね?」


 「時を止めて、得る代償から生まれたて事ですか?」


 「代償じゃないわね」


 「平等の意志があるでしょうね」


 「勝てますかね?」


 「ん?」


 「どっちがて事かしら?」


 「いえ、サタンさんが勝てるのかと聞いてみただけです」


 「マリア多分だけど、無理じゃないかな?」


 「理由としては、レベルと生きた経験が違いする事と私は、思うだけどね……」


 「お姉様には、そう見えるのですね……」


 「ウィンの言葉正しいわよ?」


 「なんたって、『愛』が深いすぎるからね……」


 「血と血で結ぶ愛の形て、心臓て意味に近いのと契りを交わす事にも近いから納得しちゃうのよね……」


 「それでもサタンさんは、戦うのですかね?」


 「戦うでしょう……なんたって、こんな戦い一生あるかないかの戦いだろうしね」


 「それに、この戦いで、サタンさんが学べる事もある訳だから……」


 「それに見なさいよ?」


 「あの清々しい顔と口元の笑いを――」


 「あんなに、嬉しそうにしてる人が諦める訳ないと思うわよ?」


 「そうですね、確かに……」


 「マリアに言える事は、これで得られる物の対価がでかいて事じゃない?」


 「確かに、これほどの戦いは、今後見れるか謎ですね」


 「謎な程価値があるのよ?」


 「ウィンもマリアもしっかりと見て、覚えておくといいわよ?」


 「「そうですね」」


 「そろそろ二人とも動くわよ」


 一定の時が流れて、時間と共に、増す力の神々しさが見えてくる――



 「そろそろ決着をつけようぞ?」


 「サタンよ!」



 「ダイトさんに、お答えできるか解りませんが、この一撃にかけたいと思います――」



 走馬灯が一瞬見えた気がしたが、なんだろうか……ジャンヌのとびっきりの笑顔が見えた気がする……あの頃に、帰りたいな……





 「漸華櫻刀乱舞の太刀――」


 「紅華瀞刀(こうかせいとう)――」



 お爺ちゃんの一撃の声が聞こえる――





 「演武修羅覇欧の舞――」


 「冥華楼翠斬り(めいかろうすいき)――」



 こっちからは、サタンさんの声が聞こえます――


 僕とお姉様が紙一重で声が重なる――




 『パリィィィィィン』


 刀が砕ける音が聞こえる――




 『バタン』


 地面に倒れる音が聞こえる――




 「ロリ―キャメロンよ元にかえれ――」


 刀が砕けたと共に、お爺ちゃんの口元でそんな声が聞こえる――



 「サタンよ、もう少し腕を上げたらまた来るが良い――」




 倒れた所から、小さな声で……



 「はい、ダイトカイト先生……有難うございました――」と声が聞こえる……




 魔力量が激しいのか、お爺ちゃんも片膝をついているのが見える。そこに、倒れていたはずのお婆様が近寄っていくのが見える。何か呟いているのが、口の動きで解るが知らない魔法だった……


 お爺ちゃんとサタンさんの回復が、その謎の魔法によって、回復していくのが見えるが、この戦いで得られる物が多かった事は、本当に明確だったと僕は、心から思った。


 だが一つ思った事と言えば、結局解説してくれたのは、全体的に、お母様だけだった気がすると僕とお姉様が戦いが終わってから気づくのであった。

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