第237話 絆と約束【懐かしあの人】

 ここは、とある国の室内で、女性が無く声が聞こえる――


 「昔に戻りたい…私だけが残ってしまった……」


 「そろそろ強制的に結婚までさせられてしまう……」


 「どうすれば、いいのかまだ私には、解らない――」


 「それでも最近の情報だとあの方とあの人が会っている事を耳にする事が多いい……」


 「あの人には、娘が二人生まれた事も知っているが名前までは、入手出来ずにいた。そんなある日ちょっとした情報が私の所へやってくる……」


 「上手くいけばここから脱出してあの人にも逢えて更に、良い案を頂けるかもしれないと神託に表示されている夢までも見ている」


 「この夢を信じて、私は、この日にちまでは、静かに暮らしてみようと心に誓う……」


 「日にちが変わらない事を私自身が心から願います」


 そんな彼女に、不思議と月の光が照らされる。因果の関係なのかは、謎だが彼女には、何かしら運命を動かせる力があるのかもしれないが、本人は無自覚のまま今まで生きて来たならこれからもそれにそって生きるべきだと心か思うのだった。


 それは、敵わぬ夢かもとこの歳になって薄々と気づく事もあったが、神官のお告げを使える私は、そのお告げの場所へと日時を決めてこの場所から離れる為の準備をしている。運命は、どうなるかなんて解らないし、あの人に会って力を貸してもらえれば何とかなりそうな予感がしている。だから私は、残りの数日を頑張って偽りの仮面をつけてこの狂った家族と暮らしていくのだった。


 強制的に決められた結婚と親族が夫と言う血縁をただすと言う意味が無いこの古い歴史には、本当に心からずっと思っている。もう少しで、私の誕生日を迎えて上で、相手のあんな醜い親族のそれも年下の餓鬼と初夜を迎えた後に、子を生した後、男なら好きに生きれると言う過去の奇術と女の子だと男の子が生まれるまで、苦痛の子作りを永遠と続けなければならないと言う習わしがあるのが、この親族と私の家の代々の掟だったりする事がとても凄く嫌だとずっと思っていた。


 もう少しで、私は……このお屋敷から出られると思うだけで、昔の約束事を心に沁み込ませて、頑張れると願ってしまう。後数日何とかこの仮面を被って頑張らなければならないと心に誓いながら神託へと祈りを捧げる毎日を送りながら過ごすのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る