コトノハ薬局

作者 九藤 朋

75

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★★★ Excellent!!!

"いつもお前は噛みつくようだね、ご苦労様、と思いながら私は受話器を取った。"
最初から3行目にある一節。これだけで、ああ読もう、という気にさせられた。その期待は裏切られなくて、どこまで行っても軽やかで気味の良い文章が続く。お話がおもしろい、登場人物が魅力的だ、ってのが当然の下地にあって、こんなきれいな言の葉で書かれては手も足も出ない。一つのお手本を見せつけられたような気分です。ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

雰囲気が落ち着いていて、とても好きです。
はじめのうちは登場人物がどのような人なのか私の想像力が及ばず、人間関係や性格等が掴めるまで数話かかりましたが、時間を忘れ読み進めていました。
一族の問題になる所も、とても興味をひかれます。
期待する点は、処方を望む人との交流が描かれてる所をもう少し読んでみたいです。(全話読む事にまだ追い付かないので、ずれてる事を書き込んでいたら申し訳ありません。)
これからも、楽しみにしております。

★★★ Excellent!!!

細やかで丁寧な情景描写と、短くまとめられ頭にするりと入っていく台詞回しから、古き良き純文学の薫りを感じます。主人公とそれにべったりの私立探偵のコンビは、どこかユーモラスで、どこかしっくりくる。

薫、僕も頂いてみたいなぁ(笑)

★★★ Excellent!!!

言葉で人の心を動かす不思議な力「コトノハ」を受け継ぐ一族の若く麗しい女性当主と、彼女を取り巻く一癖二癖ある男達を中心とした連作物語。
まだ途中までしか読んでいない段階でのレビューだが、流麗な文章と風情ある話運び、そして大人の奥ゆかしさを湛えた登場人物達が彩る作品世界は、序盤から読者の心をしっかりと捉えて離さない魅力を持っている。

独特の気品を纏って孤高を貫くヒロインの「こと」と、彼女に恋心を抱いて追い回す私立探偵の俊介、彼女の同族出身でやはり彼女にご執心の秀一郎。
上手く互いの領分をわきまえて共存しているような彼らの三角関係(?)をのんびりと眺めながら、度々差し込まれる美食や季節の風情を楽しみ、「こと」の元を訪れるゲスト人物のドラマに思いを馳せる……そんな、長期連載の週刊漫画か連続ドラマの類でも見ているような、安心感に満ちた読書体験を与えてくれるのがこの作品だ。
(ただし、作品の説明文やタグを見たところ、この先を読み進めていくと手に汗握るバトル編にも突入していくようだ。それもまた連載漫画の醍醐味のようで楽しみである。)

また、本作で何より驚かされるのは、作者の語彙の豊富さと巧みな文章表現だ。
「コトノハ」を扱う作品の紡ぎ手に相応しく、この作者は綺羅星の如く無数の言葉を脳内に蓄積しているとみえる。場面場面に適した語彙の選択は実に秀逸で、微に入り細に入り、精緻さと美しさを極めたような筆致には、この作者自身がコトノハの一族の末裔なのでは?と読者を唸らせる力がある。

現時点で150話超えという長編だが、各エピソードは短く、区切りも良いので、一編一編をさらりと読み終えてしまえるのも本作の長所の一つだろう。外出時の空き時間など、スマホで気楽に読んでいくのに適した、まさにWEB小説ならではの楽しみ方ができる作品といえる(背筋を正して集中して読みなさいと、ことさんには叱られてしまう…続きを読む