第3話




「ん……?」




目を開くと、なんだか見たことのない部屋にいた。

窓の外は、眩い日の光に照らされている。




「え…?」




ここってどこ?今、何時?




(えっと……)




ぼんやりとする思考で、無理やり考える。

確か、私は昨夜、蘭丸達と姫香のコスプレパーティに行って…

そうだ、子豚…

子豚、食べたっけ??

いや、食べてない…味の記憶がないもの。

え?……ってことは、あれって夢だったの??




むっくりと起き上がる。

近くにあった姿見に映る己の姿に一瞬ひきつる。

メリヤスのシャツとさるまた…ハゲヅラにチョビひげ…

それを見て、私は昨夜のことが夢ではなかったことを実感した。

えっと、じゃあ、なにが…

その時、扉を叩く音がした。




「めぐみさま、お目覚めですか?

お食事の準備が出来ております。」


来たのはメイドさんだった。




「え?」




まだ、事情が良くつかめないまま、私はメイドさんの後に続いた。




「どうぞ、こちらへ。」


長い廊下を歩いて、通されたのは、やっぱりベルサイユ宮殿みたいな豪華な食堂。

もう、他のみんなも揃っていた。




「あ、お、おはようございます。」


「めぐみ…今度はみんな、やられた。」


文さんが暗い声で呟いた。




「やられた…って、何を?」


「姫香の催眠剤だ。」


「えっ!?」


姫香の高笑いが食堂に響いた。




「私、昨晩、龍之介さまをいただきました。」


姫香は上機嫌だ。



「いただい…た…って?」


「いやですわ。身体を重ねたということに決まってるじゃありませんか。

これで、私とめぐみさんは同じ立場ですわね。」


自信ありげに微笑む姫香…それとは対照的に深く俯く龍之介さん…




「な、な、なんですとーーー!」


あまりの衝撃に、私にはそう叫ぶことしか出来なかった。





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お隣さんの妖しい事情~七じゃ語れない不思議な恋物語~ 夏葵(なつき) @na-tsu-ki

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