第3話
*
「ん……?」
目を開くと、なんだか見たことのない部屋にいた。
窓の外は、眩い日の光に照らされている。
「え…?」
ここってどこ?今、何時?
(えっと……)
ぼんやりとする思考で、無理やり考える。
確か、私は昨夜、蘭丸達と姫香のコスプレパーティに行って…
そうだ、子豚…
子豚、食べたっけ??
いや、食べてない…味の記憶がないもの。
え?……ってことは、あれって夢だったの??
むっくりと起き上がる。
近くにあった姿見に映る己の姿に一瞬ひきつる。
メリヤスのシャツとさるまた…ハゲヅラにチョビひげ…
それを見て、私は昨夜のことが夢ではなかったことを実感した。
えっと、じゃあ、なにが…
その時、扉を叩く音がした。
「めぐみさま、お目覚めですか?
お食事の準備が出来ております。」
来たのはメイドさんだった。
「え?」
まだ、事情が良くつかめないまま、私はメイドさんの後に続いた。
「どうぞ、こちらへ。」
長い廊下を歩いて、通されたのは、やっぱりベルサイユ宮殿みたいな豪華な食堂。
もう、他のみんなも揃っていた。
「あ、お、おはようございます。」
「めぐみ…今度はみんな、やられた。」
文さんが暗い声で呟いた。
「やられた…って、何を?」
「姫香の催眠剤だ。」
「えっ!?」
姫香の高笑いが食堂に響いた。
「私、昨晩、龍之介さまをいただきました。」
姫香は上機嫌だ。
「いただい…た…って?」
「いやですわ。身体を重ねたということに決まってるじゃありませんか。
これで、私とめぐみさんは同じ立場ですわね。」
自信ありげに微笑む姫香…それとは対照的に深く俯く龍之介さん…
「な、な、なんですとーーー!」
あまりの衝撃に、私にはそう叫ぶことしか出来なかった。
お隣さんの妖しい事情~七じゃ語れない不思議な恋物語~ 夏葵(なつき) @na-tsu-ki
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