第2話

どうしよう?

何か言わないと怪しまれる…早く何か言わなくちゃ…!

でも、気持ちが焦れば焦るほど、何といえば良いのかわからなくなってきて…冷や汗が滝のように流れ出す。




「どうかしましたか?」


「い、いえ…じ、じ、実は……」


たらたらと滴る冷や汗をせっせと拭いながら、私はここに来た理由を考え続けていた。




「これは、猫神様…!」


不意に扉が開き、猫の姿の文さんが現れた。




「ただいま。」


「おかえりにゃさいませ。

……あれ?めぐみもいたのか?」


「は、はい。」


「龍之介に会いに来たのにゃん?」


「そうにゃん!」


焦ってたので、ついつられて、猫語になってしまった。




「龍之介に…?」


猫神様が、不思議そうに私をみつめた。




「はい、この女は隣の住人なんですが、龍之介と付き合っておりまして…」


「なに、龍之介がついに付き合いを…

それは良かった…」


そっか、その手があったんだ!

私は龍之介さんと付き合ってることになってるから、龍之介さんに会いに来たって言えば良かったんだ。

なんだか猫神様も喜んでいるみたいだし、言い訳も出来たし、とりあえずはめでたしめでたしだ。

私はほっと胸をなで下ろした。




「さ、猫神様、どうぞ中へ…

めぐみも入るにゃん。」


「は、はい、お邪魔します。」

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