第4話

重い…ずっしりと重いよ!

肩こりがしそうな重量感に、私は幸せな想いを感じた。




(あ……)


ポケットの中のきつね石が、じんわりと熱を帯びていた。




「おぉ、よかったじゃないか。

また大きくなった。」


「良かった~…って、そんな素直に喜べるか!

ねぇ、蘭丸…この胸っていつまでもつの?」


「それははっきりとはわからない。

ただ言えるのは、めぐみの悲しみが深ければ深いほど、術がかかっている時間は長いってことだ。」


「なるほど。そういうシステムなのね。」




えっと、昨日でっかくなったのは確か夜…10時頃だったかな?

で、今が11時過ぎ…だから、12時間くらいは続いていたことになる。

でも、悲しみの度合いによってその時間は変わるみたいだから、今回も12時間もつかどうかはわからない。

なかなか厄介な変身(?)よね…

あの時と今回、どっちが深い悲しみだったかも、私にはよくわからない。

でも、いくらなんでもそんなにすぐにはしぼんだりしない…よね?




(あ……)




「蘭丸!私、お隣に行って来る!」




私はそう言い残し、お隣に向かって飛び出した。

早く行かなきゃ!

そうよ…しぼむ前に…

このボインで龍之介さんをなんとかしなくちゃ…!!







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る