第2話
「僕、さっき、夢を見てたんですよ…」
お茶をすすり、龍之介さんが唐突にそんなことを言い出した。
「夢…ですか?」
「はい、
それがとってもおかしな夢で…
僕が白雪姫になって眠ってるんです。
そこに王子様が来て、僕に口づけをするんですが、その王子様がなぜだか、めぐみさん…あなただったんですよ…」
「えっ!そ、そうなんですか!
私が龍之介さんの夢に…
出演料いただかなきゃ…あはは。」
な、なんと、龍之介さん…さっきのことを夢だと思ってる?
やっぱり寝ぼけてたんだな…
恥ずかしさと後ろめたさを隠すため、私は大昔のギャグを言って笑って誤魔化した。
(あ……!)
その時、私は大切なことを思い出した。
そうだ…!
私…今日はこのボインを…
(……ん?)
(……んん?)
我が目を疑うとはまさにこういうことだ。
ついさっきまで、足元さえ見えない大きなボインをしていたはずなのに、今は何もない…
今日はパッドを付ける必要もなく、付けてないから、いつも以上に何もない。
(ど、ど、ど、どゆこと!?)
何もない平坦な胸を見られるのは、すっぴんを見られるのに等しい。
「ちょ、ちょ、ちょっと、わ、私、用を思い出したので…」
私はそそくさと部屋を後にした。
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