第4話

「ん…どうした、東雲…顔が赤いぞ?」


「え?そ、そうですか?

ちょっと風邪気味だったから…熱でも上がって来たかな?」


私はそう言って、わざとらしくげほんげほんと咳をした。




「熱が…?どれどれ?」


またも美しい蘭丸の顔が近付いてきて、私は焦りながらも思わず目を閉じ、唇を突き出した。




「う~ん…熱はないようだが…」


唇には何もあたらず、その代わり、私のおでこになにかが触れた。

そう、蘭丸のおでこだった。




「そ、そうですか?

じゃ、じゃあ、気のせいかな?あははは……」


なんだ、ちゅーじゃなかったかと多少がっかりしながらも、ひきつった笑みを浮かべ、私はその場を取り繕った。




まずいっ!

私、完全に蘭丸を意識してる…!



心配そうに私をみつめる蘭丸の瞳に、ハートがとろけてしまいそうだ。




「マ、マカロン、いただこうっと!」


私はまたマカロンに手を伸ばした。

今度はチョコレート味のマカロンだ。

うん、これもうま…

あ、あれ…?なんだか身体が……あ、もしかして、また催…眠……




それを最後に私は意識を失った。





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