漫画感想文『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん 1-6』感想(ネタバレ)
『これが物凄い好き』
『でも、それを他人が理解してくれない』
というのは『オタク』ならば誰もが経験したことでしょう。
むしろ『そんな経験をしないオタクはオタクではない』と言えるかもしれません。
なぜならば『オタクとはそういうもの』だからです。
どこで役に立つのか分からない知識を蓄え、
一般人が理解できないプロの仕事にニヤリと笑い、
自分にしか理解できないような世界観に酔い痴れ、
己の価値観こそが絶対的に正しいと信じている。
そんな行動は『オタクじゃない人』から見れば常軌を逸しているわけです。
この漫画はその中でも『映画オタク』と呼ばれる人々、その中でも更に特殊な趣味を持つ『邦キチ』と呼ばれる少女を中心とした映画プレゼン漫画なのでふ。
まあ、一話目が実写版『魔女の宅急便』を扱っているだけでこの漫画の特異性が分かるでしょう。見たことネーよ(爆死)
普通ならもっと有名な映画を取り扱うものですが、この漫画の特長は半分ぐらい『世間的な評判があまりよろしくない(上品な表現)映画』を扱っている点です。
でも、だからと言って『クソ映画』として酷評しているのではなく、その『独特とも言える世界観』をきちんとプレゼンしている真面目な漫画でもあります。
例えば実写版『ドラゴンボール』の話は『原作であるドラゴンボールとは別物である』という点を強調しつつ、その作品の中で『面白かった部分』をきちんと紹介しています。
まあ、小生は見たこと無いのでこの感想が合ってるか知りませんけど(爆死)
ただ一般的には『クソ映画』として有名な実写版『ドラゴンボール』を楽しむことができた視聴者もいるという当たり前の事実が描かれているわけです。
この漫画は多様性の物語でもあります。自分にとっては『価値の無いもの』でも『他の人にとっては違う』という『普通の多様性』を描いた作品なのでふ。
もっとも原作の『ドラゴンボール』を期待して、実写版『ドラゴンボール』を見た方からすれば間違いなく『クソ映画』のようなので、それもまた当然の意見ではありますけど(汗)
この漫画は『受け手』を描いた作品です。
『受け手』が違うならばそこに生まれる感想も異なります。
だからこそ『誰もが面白いと思う作品』を作ることはできません。
なぜならば『彼ら/彼女らはまったく違う視点」から作品を見ているからです。
この漫画の登場人物のように。
それぞれが『良いと思う基準』が違うわけですヨ。
例えば作中で実写版『CASSHERN』は『クソ映画』の一つとして扱われていますが、小生はこの映画を最初に見たとき『普通に面白かった』です。
後でネットの感想でぼろくそ書かれていて逆にびっくりしました。まあ、小生は原作の方はあまり知らないのでその辺りの違いもあると思いますががが。
でも、この手の『ズレ』みたいなものはよくある話で、そのほとんどは『受け手がその作品に何を期待しているのか』という問題だったりします。
あと映画は諸事情により『最高の状態で完成しないことが多い』という理由もあるでしょう。制約が多すぎるんですよねー。地獄ですか?(無表情)
ただ本当に『素晴らしい映画』も多いです。
『たった二時間ぐらいの観賞時間でこんなに面白くていいのだろうか』
と思わせてくれるのも映画というジャンルの凄さです。
『二時間という貴重な時間を使わせやがって』
と思わせてくれるのも映画というジャンルの凄さでありまするが(爆死)
映画はとにかく当たり外れが激しい分野なのでふ。
最終的には『自分の目で見ないと判断できない』という難しさもあるわけで。
『サメ映画』を見たこと無い人はもしかすると『サメ映画』が死ぬほど好きになるかもしれませんし、『この世にこんなにくだらない映画があるのか』と絶望するかもしれません(笑)
小生たち『オタク』はそんな絶望を味わいながら『自分だけの好き』を追求していく生き物なのです。『世間的な評価』とか『文学的な評価』なんて『クソ食らえ』ですよ。
一方で『自分が好きなものを誰かに好きになって欲しい』という願望もあります。
『自分一人でも完結している』はずなのに『この素晴らしさを誰かに伝えたい』『誰かと共有したい』という気持ち。
この漫画の登場人物が『プレゼン』するのもそんな気持ちからでしょう。不思議なものです。自分が好きならばそれでいいはずなのに、それを誰かに語らずにはいられないという人間の孤独が。
何なのでしょうね。
こうして感想を書いているのも誰かと共有したいのでしょうか?
いや、別に(さんま風)
これもただの趣味でふ。
別に誰も読んで無くてもただ書いてるだけです。
これも『自分の好きを追求するオタク活動』の一つですね。
小生の文章は『自分のため』に書いてる文章なので参考にしてはいけません。
そう考えると『プレゼン』してるのも『自分が気持ちよくなるため』とも言えます。『(早口で)作品について語ってる自分』も楽しいわけです。
まあ、映画好きではなくても、『(映画)オタクの世界はこんな感じ』というのを覗き見する意味でこの漫画を読んで見るのもいいでしょう。
一つの漫画でも色んな楽しみ方があるわけです。
その楽しみ方を見つけるのが読者の役割なのでふよー。
<邦画の地位低下問題>
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