読書感想文『百花宮のお掃除係 3』 感想(ネタバレ)

 面白かったです。

 完。


 …

 ……


 そろそろこのネタもやばたにえんに感じる今日この頃、小生はまだ一プペもしていない一キメもしておらず、ついでに言えば一タマもしていない非国民ではありますが、読書はしているわけですな。


 一エヴァは遠のき、そもそもまだ一すばもしてないというピンチ。

 五シンゴジぐらいはしてるのに。三ホワイトハウス・ダウンはしました。


 そんな感じで。

 書籍版『百花宮のお掃除係』の三巻の感想です。


 相変わらず『ブラッシュアップ』が素晴らしい作品でした。

 もしかすると今一番『書籍化』を楽しみにしているシリーズかもかも。


 WEB版はどちらかというと『さらっと』した印象を受ける作品なのですが、書籍版は追加エピソードによりそこに『厚み』がしっかりと加わります。


 これは上手いですね。

 プロのお仕事だと思います。


 これはWEB版を読んでいても読みたくなる内容ですな。

 何と言うか良い意味で『完全版』という感じです。


 これはWEB版が悪いということではなく、WEB版はあくまでも『本筋』だけをずばっと描いているのに対して、書籍版はその『周囲』まで追加で書き込んでるという違いです。


 その分、WEB版は読み易いわけですが、もしかするとこれは作者様の計算どおりなのかなー。それを理解したうえで書く内容を調整しているとしたら『やるな』という感じですが、どうでしょうかね。本人じゃないので分かりません(笑)


 この『追加』というのもただ『追加』すれば良いというわけではありません。

『追加』したばかりにWEB版よりも物語が『面白くなくなる』場合もあります。


 それを避けるために『本編』には手を加えずに独立した『短編』を追加するケースも多いですね。これだと本編には何の影響も与えないで『追加』できるわけです。


 ちなみに『百花宮のお掃除係 3』でも巻末に書き下ろしの(短い)短編が入ってますが、本編に入れるとちょっと描写が『過多』になると判断して切り離したのかもかも。内容的には本編に組み込んでも違和感が無いエピソードですしー。


 さて、WEBより面白さが増し増しの書籍版ではありますが、追加されたエピソードに『独創性』があるというわけではありません。WEB小説ではよくある『現代知識』を利用したエピソードですね。


 でも、それが面白く感じるのはこの作品がきちんと一つの作品として『成立』しているからでしょう。キャラクター同士の会話も面白いですし、ちょっとしたモブキャラですらちゃんとした存在感を感じられる描写になっています。


 けっこうモブキャラの書き方でも面白さに差が出るんですよねー。WEB小説ではモブキャラを本当にモブキャラとしか使わない小説も多いので、そういうところで差が出るんですぞよ諸君さんたち。


『金の生る木』のエピソードをそのまま『本筋』に組み込んでる辺りも上手いなーと思いました。そこだけが浮いてるのではなく、その話があったからこそ本編も変化するわけです。物語の流れというのはきちんと『連続している』わけです。


 WEB版と書籍版では『別物』というほど乖離しているわけではありませんが、それぞれの『追加された要素』が綺麗に作品を押し上げてるのが良いですね。


 この作品ぐらい上手く書籍化しているWEB小説もあまり見ないような気がします。基本的には弄らないほうが無難ですからね。内容をただ増やせば良いというわけではありませんし。


『嘆きの亡霊は引退したい』もかなり弄ってる方ですが、そもそもあれはWEB版と書籍版で作品の『方向性』が違う作品ですので、あれはあれで良い書籍化作品ではあります。


 それに比べるとこの作品は『正統派の進化系』という感じでWEB版が楽しめた方ならばより楽しめるのではないでしょうか。


 それにしてもこの作品を読んでいて『知識というのは重要だなー』ということを改めて思い知りました。『水のエピソード』なんで今の人たちは当たり前の知識だと思うかもしれませんが、一昔前は我々も間違った知識で生活をしていたんですよねー。


 運動系の部活で水を飲ませないなんて当たり前でしたし。

 いろんなことがあってやっとそれが間違いだったことに気付いたわけです。


(まあ、水が無い状況に慣れるという訓練はあるかもしれませんが)

(なんにせよ命の危険性もありますから素人のやることではありません)


『知識』というのは『失敗』のうえに成り立つものですから。

 いつだって我々は『賢くない』ということを知らなくてはなりませんね。


 そういう意味ではこの物語の登場人物も『知識』があったから助かったわけで、主人公の持つ知識がなければ彼らの未来は大きく変わっていたでしょう。


 もっともそちらの方が『本来辿るべき道』であり、やはり『現代知識』というのは紛れもない『チート』ということになるでしょうねー。


『何のために学ぶのか』と問われれば『物事を正しく判断するため』と答えましょう。『間違った知識による犠牲者』というのは悲劇でしかありません。

 

 とはいえ、我々の『知識』もまた正しいとは限らないわけで。

 医療系の知識も後から間違いが分かることもありますし。


 このコロナ過で判明した様々な知識もいずれは人類にとっての『常識』となることでしょう。そうやって少しずつ積み重ねていったものが我々の偉大なる『財産』なわけです。


 新型コロナという病気が怖いのも我々が『それ』を知らないからです。この物語の登場人物のように『知らない』からこそ取り返しのつかない失敗をしてしまう危険性があるわけです。


『無知は罪』ではなく『無知は(本人にとっても)不利益』になってしまいますので、分からないと感じたら一度立ち止まりましょう。それが『自分のため』になりますから。


 とまた感想とは関係ない場所に突っ込んでしまいました(笑)

 小生も一度立ち止まりましたが、本筋と関係ないわけではないので書きまちた。


 さてさて、『WEB版』も少しずつ物語が進んでますし、それが『書籍版』でどう変化するのか今から楽しみですね。


 うーん、次回はそろそろ『あれ』を出せそうか名。

 もう下書きは出来てるのでそのまま没にならなければ近いうちに(汗)


 一本分書いて没にすることもけっこうありますので油断はできません。

 だから『なになにを書いてます』とかあんまり言いたくないわけです(笑)


 だから毎回『予定は未定』と決め台詞を告げるわけですたい。

 自分でもきちんと完成するか分からないですしおすし。

 

 小生も『伏線』張って忘れまくってますし(爆死)  

 もうどの『伏線』を回収したかもおぼえてねー(大爆死)


 まあ、プロの方でも伏線を回収しないことはよくあるので問題無いでしょう。

 とりあえず張っておけば後で役に立つかも的な感じです。てけとーです(オチ)


<完>  

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