『デス・ストランディング』 感想(ちょいバレ)

『デス・ストランディング』というゲームを一言で言い表すならば、


『配達ゲーム』です。


 それ以上でもそれ以下でもありません。


 そのため最初の二時間ぐらいで面白いと感じた方は、最後まで面白いと感じるでしょうし、逆に面白くないと感じた方は、最後まで面白くないと感じると思います。


 そのぐらい『完成度』が高く、『両極端』なゲームです、

 小生としては前者だったなので最後まで楽しめました。


 いやー『L』と『R』でバランスを取るゲームがこれほど面白いとは。確か昔ネットで『走るだけのゲーム』が一部で流行しましたが、あれに近い感覚だと思われ。


 本質的には『ファミコン時代のゲーム』ですよこれ(笑)

『シンプルなルールがあって後はプレイヤーが勝手に遊べ』という類のゲームです。


 それを『今の時代の技術力と発想で作るとこうなる』という見本。

『配達ゲーム』を作ろうとして本気で『配達ゲーム』を作ったわけですね。


 今考えると恐ろしいですが、確か『ファミコン時代』にはこういう作品が多かった。『新しいゲームを作ってやる』という気概がありました。


(注:『たけしの挑戦状』は別です)


 それがいつしか『型』が出来上がってしまい、それ以外の『ゲーム』が作り辛い時代になってしまいました。売り上げ的にも『前例』がある方が推測し易いですし。


 それはそれで正しい。

 でも、ゲームはそれだけじゃない。


 このゲームの凄いところは『配達ゲーム』を作ろうとして『配達ゲーム』を作ってしまったことです。製作者の目的どおりのゲームがちゃんと出来ているわけですヨ。


 反面、『それ以上のゲーム』にはなっていないという欠点があります。『建築要素』などもありますが、最終的には『どれだけ上手く配達できるか』という一点で遊ぶゲームです。


 まあ、『いいね』を集めるという遊び方もありますが、どちらにせよ『配達に必要な最適なルートを開拓するゲーム』であることには変わりありません。


 そのため『それ以上の面白さが無い』と小生は感じました。最初の面白さが最後まで飽きないように様々な工夫はされていますが、小生は最初に苦労して荷物を配達していたときが面白さのピークでした。


 どんどん面白くなっていくという感覚が無い。最初から最後まで面白さは続いていきますが、ぼーんと跳ねる面白さは無かったです。


 ストーリーも『謎』ばかり重視しているせいで、やはり盛り上がりには欠けますね。製作者もそれに気付いたのか、途中で『棒読みのメロドラマ』を入れてきましたが、あれはすげー酷かった。何を見せられてるんだろうと真剣に悩みました(笑)


 ただメインストーリー自体は面白かったです。

 もっともここでも『説明不足』が目立ちますががが。


『文書』である程度は補完しているのですが、それでも『あの展開は何だったんだろう』とクリアーした後でも疑問が残ります。全体的に丁寧ではありません。


 もっとも『テーマ』自体は面白いので、そこを考察することができれば良い作品化と。その辺りは次の感想で書く予定です。


『良くも悪くも新作ゲームの一作目』


 というのが全体的な感想でしょうかね。

 ぶっちゃけ『配達ゲーム』じゃなかったらもっと売れたんじゃないかと思います。


 製作者側の『ゲームを作る感覚』は確かでしょう。

 わざわざ難しい題材を『面白いゲーム』に作り変えるのですから。


『配達要素』自体は多くのゲームで導入されている要素です。

 ですが、それをメインに持ってくるゲームは少ないです。


 地味だし、売れないから。


 そこで勝負を賭けるというのがちょっと頭が『あれ』だと思います(笑)

 でも、頭が『あれ』じゃないと新しい部分になかなか踏み込めないんですよねー。


 ほんとに『ファミコン』とか『スーファミ』の時代はこういう実験的なゲームが多かったですねー。その分、大量の『クソゲー』が生まれたわけですががが。


 でも、あの時代の『濃さ』は確かに今の時代には失われてしまったものです。『エロゲー業界』にもそういう時代がありました。こちらも失われましたけど(汗)


 あの頃の熱狂はおそらくもう取り戻せないと思いますが、それでもこうして『変なゲーム』が出てくるのは面白い。あの時代を知っている人々のささやかな抵抗かもしれませんね。


 絶対このゲームをつまらないという人はいる。

 何が面白いのか理解できないという人も多いでしょう。


 何というか『自分で楽しむためのゲーム』なんです。だから、この中に『楽しさ』を見出せない人にとってはつまらないゲームに過ぎません。


 まあ、小生としても『年間ベスト作品(集)』には入れないゲームです。でも、ゲーム史を振り返ったとき『こんなゲームがあったな』と語られるゲームでしょう。


 そんな感じで次回はストーリーを中心とした『超ネタバレ』の方をやります。と言っても情報不足でよく分からない部分もあるので、物語の全体的な構図を中心に書いていきましょう。


 ばーいせんきゅー(古)


<『クレイジータクシー』は配達ゲームですか?>

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