読書感想文『線は、僕を描く』(ネタバレ)
前半から中盤にかけて、水墨画の世界に引き込まれていく展開。
主人公が抱える誰にでも起こり得る悲しみ。
自分の知らない世界の物語を読むというのは面白いし、『主題的テーマ』もきちんと描かれている作品でした。最近ではあまり『メフィスト賞』の作品を読んでいませんでしたが、なかなかの当たりかなーと思います。
この作品を読んで『水墨画』に興味を持った時点で成功でしょう。もっとも小生には美術というか『絵』を理解する感覚が育ってないのであばばばですけど(汗)
どんな絵を見ても『すごいなー』『上手いなー』としか思わんし。その奥の情報を読み取るまでの能力が無く、感情が揺り動かされることもほぼ無い。
まあ、それも仕方がありません。小生のスペックは『物語を読む』ことに特化しているので、それ以外の感性はほとんど育っておりませぬ。漫画の絵なら理解できますけど(大汗)
まあ、『青春小説』としても『芸術小説』としてもなかなかの作品です。
そういうのが好きならほどほどにお薦めできます。
うん、感が良い方ならば、この時点で小生が言葉を選んで書いていることに気付くでしょう。少なくとも小生が完全に満足して読み終えた作品ではありませんでした。
ここから先はちょっと批判的な感想になるので、読みたくない方はいつも通り『戻れー』です。『ブラバ』ってもう死後ですかいな?
改行。
改行。
改行。
うーん、小生が読み終えた後にまず思ったことは『勿体無い作品だなー』ということでした。
最初に書いたように面白いことは面白い。
でも、もっと『面白くなった作品』だと感じました。
『登場人物や舞台設定が十二分に生かされていない』
というのが小生の正直な感想です。主人公各である『三人』はきちんと描かれているのですが、その他の登場人物の扱いなどが雑に感じました。
何というか悪い意味でただの『舞台装置』になっている気がします。
そこを掘り下げれば『ドラマ』があるのに、それを回収せずに終わってしまう。
(主人公が『そういう人間だから』という理由でわざと描いていない可能性もあり)
(ただその場合もやはりメリットよりもデメリットが目立ちます)
その結果『青春小説』としても『芸術小説』としてもそこそこで止まる。その二つがきちんと融合したのではなく、お互いがお互いに微妙に邪魔になっている。
おそらくそのどちらかに寄せた方がもっと作品として面白くなったと思います。
『素材(要素)』は良かったのに、それを『料理』し切れていない。
その辺りが良くも悪くも『新人さんの作品』という感じです。前半から中盤にかけて良かったですが、中盤から後半のまとめる部分に甘さが出た。手堅くまとめようとして、手堅くまとまり過ぎた感じでしょうかね。
きちんと描くべき部分を描いていないというのも減点です。『あれ』とか『あれ』の様子を最後の方に一行書くだけでも印象が変わるのですががが。
その辺りを放り投げているのも『ちょっと雑かなー』と思いました。
もっとも『続編』を書くためにわざと抜かした可能性もありますけど(汗)
面白い作品でしたが、名作だったとか問われると『うーん』と唸ります。
そんな感じの作品。
でも、『読んで良かったのか?』と問われれば『はい』と答えます。
そういう作品。
好きな作品ですが、『年間を代表する作品』としては選ばないでしょう。
あくまでも個人的な感想ですけど。
これ以上書くと炎上しそうなので撤退します(汗)
まったくこういう文章を書くから敵が増えるんだろうねー。
まあ、どうせどこからもお金を貰えないので気にしないことにしましょう。
金をくれるとしても詐欺を疑うのでどうしようもありませんけど(爆笑)
<終わり>
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます