小生小説講座『最低限の説得力』

『ラ・ラ・ランド』の感想でも書こうかと思いましたが、感想ばかりだと『まるで感想文みたいだ!』と誰かが言いそうなので、別のことを書こうと思いました(謎)


 さて、今回は『最低限の説得力』

 前回の駄文を読んだ方々は少し理解できているかもしれませぬ。


 でも、読んでない方もいると思うので、多少詳しく書いていきましょう。

 

『最低限の説得力』というのは『物語』に置ける説得力です。

 簡単に言えば『その物語が成立しているか』という意味でもあります。


 まあ、『最低限』と文字で書くだけなら簡単なのですが、これが色々な要素が複雑に絡み合い、その上『読書によってもその基準が違う』という阿鼻叫喚の地獄なので、なかなか分かり易く説明するのも難しいです。


 それでも分かり易く説明しようとするならば、


『物語の筋が通っているか?』


 という言い方なら分かり易いかもしれません。

 別の言い方をすれば『理屈は通っているか?』とも言えるでしょう。


 例えば『主人公が自分よりも遥かに強い敵に勝った』とします。

 そこに何の『理屈』も無ければ、それは在り得ないことです。


 つまり、『物語の筋』が通っていません。


 そこで多くの物語は『主人公の隠された力がある』という設定を作ります。

『勇者の血筋』とか『魔王の子供』とか何でもいいわけです。


 それがどれだけ『陳腐』だったとしても、要は読者が『納得』できればいいわけです。『ウォーズマン理論』だって構いません。そこに説得するだけのパワーがあればいいのです。


 逆にこういう『未知のパワー』ではなく、『理詰めの説得力』を用いることもできます。例えば『敵の弱点を突いた』とか『仲間と協力して戦った』とか。

 

 つまり、『物語』というのは何でも『作者の思い通り』に動かしていいわけではありません。何かを描こうとするならそこに『理由』や『理屈』という下地が必要になります。あるいは『感情』とか。


 それを怠ってしまうと『物語の筋』が通らず、結果的に『物語が破綻する』わけでふ。面白いことにこれは『素人』でも『プロ』でもやってしまう失敗だったりしまふ。


 特に素人の方はよくやってしまう失敗です。


『ストーリーを展開するために登場人物が壊れる』

『自分が書きたくない部分は適当に流す』

『そもそも小説の情報量(文章量)が足りていない』


 とかね。

 WEB小説を読んでるとふつーにこういう作品があります。


 まあ、たいていは『小説の基礎』をまったく学んでいない場合が多いので、少しでも勉強すれば一気に上手くなると思います。


『自分の書きたいシーン』だけを優先するのはまだまだじゃよ。『書きたいシーンを面白くするために書きたくないシーンを書く』のじゃろり。


 それはまた別の小生小説講座になるのでカットするとして。

 さっきも言ったように『素人』と同じ『失敗』をプロもするのが面白いところ。


 例えば『テイルズオブゼスティリア』というゲームがありました。

 小生の大好きな『テイルズシリーズ』です。


 プレイし終えた後、『虚無』が残りました(爆)

 最初は面白かったのに、段々雲行きが怪しくなって、最後は投げました(マジで)


『どんな作品だったのか』というのはネットの感想を調べて貰えれば理解できるかと。小生の言葉で言うなら『物語の筋がまったく通っていない作品』でした。


『エドナの約束』とか真面目に意味が分かりませんでした。

 外から見ても『製作現場で何かが起きたのだろう』と分かるイミフ。


(もっとも登場人物たちは今でも人気がありますし、小生も好きです)

(ただ物語に登場人物たちが操られ、途中から破綻しまくっただけで)


 他にも『投げっぱなしエンド』とか。

『作者のやる気が無くなった打ち切り』とか。


『伏線が回収されずに終わる』というのは珍しくはありません。


 ですが、その中にも『面白い』と言われる作品があるのは『物語の筋』は通しているからです。『もやしもん』は最初の重要そうな伏線をぶっ飛ばしましたが、それでも評価の高い作品です。

 

 まとめてしまえば『読者が納得するかしないか』というのが全てです。そのため一つの作品で『筋が通っている』という読者と『筋が通っていない』という読者の両方がいるのも、これまた珍しくはない光景です。


 だから、説明するのが難しいわけですけど(汗)

 まあ、うん、基礎的なこととしては。


『物語の中心部はしっかりと表現しよう』

『ストーリーを展開させるために登場人物が壊れないように』

『理由(理屈)が必要な箇所ではきちんとそれを準備するべし』


 この三点かなー。

 どんな物語でも細かい部分を批判することは可能です。


 でも、『物語の中心部(軸・筋)』がしっかりしていれば面白いと思ってくれる読者はいるでしょう。


 あと難しいのは『物語のジャンルによって最低限の範囲が違う』という点ですかね。例えば『探偵小説』だと『警察が無能』でも許されます。


 先人たちの作った『お約束』というやつです。でも、それが何にでも使えるわけではなく、『警察を無能に描いてはいけない』という作品ジャンルもあります。


 そのジャンルでそれをやってしまうと『最低限の説得力が無い作品』になってしまいます。


 作品によって『手を抜ける部分(省略)』と『手を抜いてはいけない部分』をしっかりと把握しましょう。『お約束』は物語を作る上で便利ですが、間違って使うと物語が死にます。


 もっとも


『小説は自由である』


 というのが小生の持論なのであんまりガチガチに考えなくてもよろし。

 重要なのは自分で『考えられる頭』を手に入れることです。


 自由と言うのは『何をしてもいい』という意味ではなく、『面白さを得る過程が自由』という意味です。『報道の自由』が『誰かを傷つける自由では無い』のと同じです。


 物語製作に置いて『失敗する』ことが駄目なのでは無く、『失敗から学ばない』ことが駄目なのです。そこから学ばないと『何回書き直しても同じ』です。


 むしろ文章自体は書き直したって、なかなか良くなりません。

 推敲はプロでも難しい作業です。読者の好みもあります。


 でも、『物語の筋を整える』ことは分かり易い改善点です。

『台詞を数行変える』だけでも、評価が物凄く変わるときもあります。


 まあ、逆に言えば『数行の台詞』で物語を破綻させることも可能です。

 

 もちろん冗談じゃありません。物語の一番盛り上がるとことで失敗して死亡することも十分にありえます。『終わる悪ければ全て悪し』という言葉もあるんですヨ。


 ついでに言えば『物語に嘘を入れる』ことも悪いことではありません。刑事ドラマでは『ボードに事件の概要』を書いてますが、現実の警察はやっていないそうです。


 でも、あれは『視聴者に説明する』ためにわざとやっているので、あそこを指摘して『最低限の説得力が無い』と指摘することは間違いです。あれは『お約束』でもあります。


 この辺りは『現実と物語の関連性』なのでまた別のテーマです。

 ので、これまたカット(省略)


 今回の内容は難しいので上手く説明できた気がしないけど終わり。『頭の良いキャラを登場させたけど、ぜんぜん頭の良いことを言ってない』というのもよくある失敗なので気をつけましょう。


 そういうキャラを出す場合は、作者様もきちんと勉強しなければなりません。

『付け焼刃の知識』は『物語を破綻させる要因』になり易いので気をつけましょう。


 小生の知識も付け焼刃な部分が多いのでわりと破綻してますけど(オチ)


<ねるねる>

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