『バイオハザード RE:2(シナリオ編)』感想(超ネタバレ)
いちおう書いときますが、『超ネタバレ』です。
全体的に『酷評』気味なので、気になさる方は戻れ後ろ。
改行。
改行。
今回の物語を一言で言うと、
『安っぽいハリウッド映画』
という感想になりました。
いや、別に『安っぽいハリウッド映画』を否定するわけではありません。面白い作品はたくさんあります。何か男女が出会って危機があって恋をするという作品は小生も好きです。ビバハリウッド。
ただそこに『最低限の説得力があるか』というのが問題でして。
少なくとも小生は『バイオハザード RE:2』からはそれが感じられなかったです。
一つ一つの要素を見れば悪くはない気がする。
でも、それが一つの物語になったときにまとまりが無い。
何と言うか『表面』だけなんですよね。一見物語が成立しているように見えて、少し考えると『あれっ?』と思ってしまう。
もっとも『バイオ』のシナリオ自体にそこまで中身は無いわけですけど、今回は細かい部分の『手抜き』が目立つと言いますか、『取り合えず物語が成立すればいい』みたいな製作者側の意図が見えてしまったわけです。
でも、まあ、感じ方というのは人それぞれなので、そういう部分の感想を書いてもあまり意味がないと思われるので、今回は明確に『悪い点』だけを書いていくことにします。旧作と比べた場合の『改悪』と感じた部分です。
この『悪い点』はざっくり言うと二つあります。
一つ目は『ザッピングシステムを排除したことの余波』です。
この余波に関してはあちこちに支障が出ているのですが、一番大きいのは『レオンとクレアの交流』がぜんぜん無いことだと感じました。
『バイオ2』というのは『バイオ1』と違って、『二人の主人公が協力しながら地獄を生き延びる』というのが作品の重要な要素です。ちょっとした会話や役割分担でも、一人では無いことを意識できる物語だったと思います。
ですが、この『バイオ2RE』では不自然なほどにお互いがお互いのことをまったく思い出しません。たまに顔を見せたら急に思い出して心配しますが、基本的にはまったく気にしていませんし、協力関係ですらありません。
今回のゲームの中ではほぼ『他人』と思ってもいいでしょう。
この状況の中で二人に『絆』が生まれるとは思えませんでした。
『行きに同じバスに乗って、いろいろあって、帰りも偶然同じバスに乗った』
この表現が一番ぴったりかなーと思います。この問題点を解決する方法は幾らでもあるのですが、最終的にはおそらく『放り投げた』のかと。
『裏ルートのメモ』が限界だったのでしょう。あれはあれで良かったですが、読んだ後の感想が無いのでそれまた微妙。『表』でメモを残すシーンでもあればもうちょっとましだったのですががが。
『ザッピングシステム(協力)を無くしたけど、その穴を埋められなかった』
これが小生の得た感想です。
『表と裏』であまり物語に変化が無いというのもこの余波の一つでしょう。
むしろ『表と裏』ではなく『レオン編』と『クレア編』の二つの物語を再構築すればいいだけのことなのですが、その部分に労力を割けなかったと推測できます。たぶん製作者はそこがゲームの肝ではないと判断したのかもしれません。
(あるいは序盤は一緒に行動して、中盤で別れて、終盤で合流という形でも可)
では、『悪い点』の二つ目に行きます。
二つ目は『バイオハザード1の存在』です。
これは『クレアの目的』とも関係してきます。
まあ、簡単に言えば『カット』です。
意図的に『バイオ1』の情報はカットされ、『クレアの目的』も適当に終わり、全体的によく分からない感じになっとります。
『兄貴を訪ねて来たら留守だった終わり』みたいな印象が残りました。
肝心なそこから先が無いわけです。
バイオ2は『バイオ1』のその後という側面もあり、それらの情報を得ることも楽しみの一つだったのですが、『今更そんなの必要ないよね』とでも言わんばかりに削除されました。ただ『写真』だけは残ってますけど(笑)
『マービン』も意図的に前作の話には触れませんでしたし。
それに伴って『署長』の立ち位置も微妙に変化してしまいました。
もっともこの辺りは『コードベロニカ』のリメイクを作るか分からないので意図的に削除された可能性もあります。ただクレアの目的を考えると、結果的に不自然な形になってしまいました。幾つかの『ファイル』も削除されているようでふ。
(ちなみにあるファイルに『処分しろ』と書かれているので、秘密裏に殺されていると推測することもできます)
この『バイオ1』の情報も『バイオ2』の重要な部分なのですが、それを削除した代わりの要素が無かった。しいて言うなら『孤児院のパート』ぐらいですかね。あそこの『ファイル』とかは良かったです。
ただ『バイオ1』のその後というのは『クレアの目的』とも密接に関わっているので、そこを排除して『兄を安否を確かめにきた』という設定だけを残すとびみょーな感じになってしまいます。
まあ、シナリオに関してはそもそも『バイオ2』自体にツッコミどころが多いので、そのリメイク作品だからと言ってあまり上げ足を取っても仕方が無いですが、重要な要素が二つも失われている状態では『バイオ2である意味』が薄いわけです。
これが完全新作だったならば、小生もそこまで違和感を感じなかったかもしれません。ただこれは『バイオ2』なので、『そこを排除するならバイオ2じゃなくてもいいよね』と思わんでもないわけですヨ。
その二つを排除したのに、その部分を綺麗に縫い直さなかったせいで、全体的に『歪な作り』になってしまっていると思います。
表面だけ見れば『バイオ2』をなぞっているのですが、細かい部分は『バイオ2』になりきれなかったという印象が残りました。
『ゲーム部分に力を入れたけど、シナリオ部分をおざなりにした作品』
それが『バイオハザード RE:2』の小生の感想です。
ただし『ハンク編』に関してはシナリオも良かった。
台詞も少ないのですが、一つの物語として綺麗にまとまっていました。
もしかするとここだけ別の人が担当したのかもしれません。
あるいは『ザッピングシステム』や『バイオ1』と関係ないからきちんとしたものが作れたのかもしれないね。
真相はまさに『藪の中』です。
でも、ま、プレイしたものが全てなのでどうでもいいです。
ゲームとしては面白かったのでそれはそれで。
終わり。
<追加要素に関しては不明>
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