読書記録『ホワイトパズル』

『河野 裕』氏の短編作。

 これがデビュー作だと知っている方が、このカクヨムに何人いるでしょうか?

(あくまでも商業掲載された順序ですが)


 小生がこの作品を読んだのはたまたまです。

 新人が短編を載せるというので、試しに読んでみました。


 そのとき感じた衝撃は今でも覚えています。


 ――ああ、これは本物だ。


 そう感じました。

 

 小説が上手い人はいます。

 発想が良い方もいます。


 それとは別に『ナニカ』を持っている作家さんがいて、そういう人の作品を読むと自分の中の『ナニカ』が揺り動かされるのです。


 言葉にするのが難しい感覚ですが、小生の中には確かにそれがあります。

 

 同じ素材を扱っていながら、別のナニカを書ける人がいる。

 分からない。理解できない。ただ『ソレ』がある。


 まあ、これも人によって感じる差がありますが、小生はこの作品にそれを感じました。今読んでる『ウォーター&ビスケットのテーマ』にも『ソレ』は感じます。


 参考になるか分かりませんが、『乙一』氏の作品を読んだときも、同じようなものを感じましたね。これは『本物』だと。他にもいますが、それは秘密です(笑)


 ただこの感覚を感じないから面白くないというわけではなく、この感覚があるから必ず面白いというわけでもありません。ただ『別』だと思うだけで、面白さはそれとはまた別のお話。


『本物』という表現も、あくまでも便宜上なので、それを持っていない方が『偽者』というわけではありません。小生は『面白至上主義』なので、面白い作品を書ける作者様を望んでおります。どんな形であれ。


『量産型作品』を面白く書ける作家さんもいるので、『それぞれ違ってそれで良し』なのです。読者というのは『くそやろう』なので、どんな作品でも一つの方向性しかないとそのうち飽きるわけです。


 あっちこっち浮気するから新鮮なのですくそやろう。

 怒られそうなので、浮気の話はここでカット(笑)


 うーん、この『ナニカ』を言語化するならば、『固定ファンがつきそうな作家さん』という言葉になるのかな。その人にしか書けないモノを書いているという感覚。


 どうすれば『ソレ』ができるのか分かりませんが、『ソレ』を書ける作家さんがいる。理論の先に辿り着く人もいれば、感覚として始めから持っている人もいる。


 分かり易く言えば『作風』ですが、作品の傾向という意味ではなく、作品(作者)そのものという意味の『作風』です。『固定ファン』がその人物が書いた作品を読みたいと思わせる『ナニカ』。


 駄目だな。

 言葉にすればするほど、本質から遠ざかっていく気がします。


 まあ、これを言語化できてしまうのは味気ない気がしますので、作者様が自分の手で掴むしかないものでしょう。だから、読者は物語を読むわけです。


 さて、死ぬのが先か、飽きるのが先か。

 先が見えるデスレースですが、そう悪くはない人生ですヨ。


 いや、別に死ぬ予定があるわけじゃありませんけど(笑)

 ちょっと体調不良で死ぬかとは思いましたが(爆死)


<健康って大事だね>

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