FGO『永久凍土帝国 アナスタシア』 感想(ネタバレ)

 闘争が始まったのだ、と彼/彼女は知る。

 救いたければ全てを殺せ、と王/敵対者は告げる。


 希望に溢れた物語は幕を下ろす。

 残されたのはあるべき世界の形。


 すなわち、笑えるぐらい凡庸な生存闘争。

 敗者は地面に落ちて消え、勝者は空へと進み行く。


 誰もが救われる結末など、もう見つからない。

 自分の大切なモノを守りたければ、殺すしかない。


 それでも彼/彼女は動けない。

 

 善人ならば、世界を背負って救うだろう。

 悪人ならば、世界を踏み躙って救うだろう。


 だが、凡人には何も選べない。

 彼/彼女はそこまで特別な人間ではなかったのだ。


 だから、旅はここで終わりを迎える……はずだった。


 一人の異端者がその命を捨てなければ。

 彼/彼女がこの世界と向き合えっていなければ。

 

 弱い世界のために戦えと。

 強いだけの世界に負けるなと。 


 約束は交わされ、契約は成立する。


 前と同じで覚悟も無ければ、強さも無い。

 何も変わっていない凡人が一人。


 それでも命を救われ、託されてしまった。

 ならば、彼/彼女は立ち上がるしかない。


 たった一人の死を無駄にしないために。

 彼/彼女は絶望の道を歩み始める。


 こうして、勝者は行き去り、敗者の世界が取り残される。

 未来はすでにない。どうすることもできない行き止まり。


 だが、彼らはその果てに自分たちが失ったモノを知る。


 この物語に希望は無い。ハッピーエンドは失われた。

 世界は進む。敗者は終わり、勝者は続く。


 それでも救いはあるのだ。

 例え、彼/彼女がそれを知ることが無かったとしても。


 この出会いに意味があったのだと、誰かが覚えているだろう。

 


――――


 レベル上がり上がり過ぎじゃー(悲鳴)


 確かに『土台』はもう築かれてますから、第一部よりライターもやり易いですけど、それでも初っ端からこのレベルですか。ほげー。構図のレベル高し。


 ライターは誰だろうなぁ。

 分かり易い作りなので、特殊型のライターではないと思いますが。

 

 でも、『FGO』のライター陣は(制限が少なければ)このレベルのシナリオを書ける面子なので、正直分からん。癖みたいなものもあまり感じませんでしたし。


 確認したら『円居挽』氏もライターに追加されててびっくり。

『丸太町ルヴォワール』は読んでて衝撃を受けた記憶ががが。


 ここで少し今回のストーリー解説を入れようと思いましたが、長くなるので『考察』で分けます。毎回このレベルだと『考察』が必要で困るな(汗)


 まあ、なるべくはしょって書きましょう。

 てけとーにてけとーに。


<考察に続く>

 

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