小生小説講座『小説を学ぼう』
つまり、『勉強』です。『面白い小説』を書くためには『才能がある作家さん』ですら勉強をする必要があります。
稀に『自分の内側から湧き出るモノ』だけでとんでもない作品を書く方もいますが、そういう方はこんな駄文を読んでいないでさっさと自分の作品書くべしというわけで、そのケースは除外します。
では『小説を勉強する』ためにはどうすれば良いのでしょうか?
大学に通って文学を勉強するのもいいかもしれません。
プロの作家さんの小説講座を聞く(読む)のも良いでしょう。
ですが、ここではもっともシンプルな答えを選びます。
それは『小説を読んで学びなさい』ということです。
(『面白くないを知ろう』でも少し書きました)
読者が読む小説と言うのは基本的に『完成系』です。『完全体』ではありませんが、それでも『作者(など)』が『これならば読者を楽しませることができる』と判断した作品です。
それが『面白い作品』であれ『面白くない作品』であれ『一つの物語として成立している』ならば、そこから学べることは多いのです。成立していない作品からは『なぜ成立しなかったのか』ということを学ぶこともできます。
ですが、ただ『作品を読んでいる(楽しんでいる)』だけでは『学ぶ』ということにはなりません。そこから作品の奥へと潜り込み、作品を分解する必要があります。
『どんな技術が使用されているのか』
『どんな要素が絡まりあって面白さを生み出しているのか』
『その文章によって読者にどんな影響を与えるのか』
『その展開にはどんな意味があるのか』
などなど、簡単に言ってしまえば『国語の授業』です。『作者の意図を読み取り、それが読者にどんな影響を与えているのか』ということを理解する必要があります。
違う言い方をすれば『読んで盗め』です。職人の世界です。
これが『小説を学ぶ』ということの『基礎』になります。
『今の時代にそんな古臭い考えなんて在り得ない』
『もっと丁寧に教えろよ』
という方もいるかもしれませんが、ぶっちゃけ『物語を作る』ということを本当に教えられる人間はほとんどいません。おそらく『小説を書ける(技術)』という状況までは教えられますが、その先は難しいです。
なので、『新人賞』などで『物語を作ることができる作者』を探しているわけです。『小説の書き方』を(ある程度)指南することはできますが、『物語の作り方』を教えることは至難だからです。座布団一枚。
この小生小説講座も『小説の書き方』を書くことはできますが、『物語の作り方』まで指摘することはできません。せいぜいそこに辿り着くまでの一歩が限界でしょう。切欠を作ることが目的なのです。
どうすれば『物語を作れるのか』というのは理解の範囲外です。視点が違う作家さんもいます。思考が違う作家さんもいます。経験が違う作家さんもいれば、テーマを小説に落とし込める作家さんもいます。
ただ共通しているのは彼らには『物語が作れる』ということです。
どうすれば『その場所に辿り着けるのか』といのは小生には分かりません。
つまり、重要なことは、
『物語の作り方』
を自分で学ぶということです。教えられるのではなく、自分から見出す必要があります。そのためには『完成している物語』から逆算して学ぶことが手っ取り早いわけです。小生でも学べる程度には『分かり易い教材』です。
自称評論家がちらほら出現するのもこのためです。『後だしジャンケン』と同じで完成した作品を後から指摘することは、難易度としては数段階簡単になります。
『創作は難しく、評論は容易い』
自称評論家が発生する理由の一つです。もっとも一流の評論家は『物語をきちんと言語化』しますので、創作するのと同じぐらい難しい作業ではあります。
なんせ作者さんが認識できていない部分までしっかりと解説したりしますから、ある意味では作家さん以上に作品を知っている人間ともいえますネ。
さすがにそこまで分解(言語化)するのは難しいので、全体的な流れを把握できる程度でいいでしょう。一つの作品を全て理解しようとするのは、本当は物凄く難しいことです。読者に与える影響を複数視点から把握する必要がありますし。
ので、一つの基準としてその作品の『プロット』を自分の手で書くことができる程度の理解度があればいいかと思われ。プロット書きの練習にもなりますし。
ちなみにこの『小説を学ぶ』ということに関しては基本的に『二度読み』です。最初は普通に楽しんで、物語の全体像を把握してからもう一度読み返すというのが理解を深めるために重要なことです。
一度目から余計なことを考えていると『純粋に物語を楽しめない』こともありますので、その予防のためでもあります。
この『二度読み』というのは『ミステリー小説』では基本的な読み方です。二度読むことによって、最初に気付かなかった伏線に気付くこともあります。この気付かれない伏線を書くというのもミステリー小説には重要なことですが、今回とは関係ないのでカット。
『楽しみつつ学ぶ』
というのが最初の上達法としては無難な手段でしょう。
『面白かった』で終わらないというのが今回の講座の肝ですヨ。
と言ってもここで学べることは表面上だけのことですので、本当に学ぶべきことは『完成系の外』にあるとも言えます。
今回の方法では『物語の形』を学んでいるだけということにご注意を。
『物語の作り方』を(少しでも)知るためにはもっと広い視野が必要になります。
裏です。あるいは前です。そういうことです。
もし小説家を目指すならば『形の作り方』まで学ぶ必要があります。
でも今回は『基礎』なので終わり。
『基礎』では、
『(面白い)物語の完成形はどんな形をしているのか』
ということを『知識』と『感覚』で学ぶということが重要かなかな。
これを理解していないと、
『上手いけど面白くない』
という致命的な状況になってしまうこともあります。これは『小説は書けるけど、物語は書けていない』というケースに多く、 実際のところ商業作品が陥り易い孔明の罠でもあります。
他の媒体から移籍してきた作家さんの中には、
『面白いけど小説としては慣れていないよね』
という場合もありますが、こちらはセーフの感想です。物語の書き方は分かっているけど、小説の書き方がまだ理解できていないということです。
まあ、その辺りの話も別の機会に。
今回は終わりです。
<初級編>
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