FGO『ダ・ヴィンチと七人の贋作英霊』 感想(ネタバレ)
真作。
贋作。
あるいは人形。
例えその感情が借り物だったとしても、
彼女たちが懐いた気持ちは本物である。
ゆえに魂は存在する。
それが瞬きする間の儚き輝きだったとしても。
生命に意味はあるのだ。
――――
今更語るほどでもない『型月』のメインテーマの一つ。
ほぼ全ての作品に内包されているテーマでございます。
『FGO』のメインヒロインである『マシュ』も、このテーマによって描かれているキャラクターの一人です。『人形』であり『偽者の英雄』というのが彼女の最初の立ち位置でした。
それがどうなったかというのは『本編参照』というわけで今回の話。
『ジャンヌダルクオルタ』は『偽者』ですが、『贋作英霊』は『別物』であり彼女が作り出した『人形』に近い存在です。自分にとって都合の良い世界を生み出すための『道具』に過ぎません。
だからこそ『ジャンヌダルクオルタ』は恨まれても憎まれても当然だと考えます。
ですが、『贋作英霊』には彼らなりの魂がありました。
例え理不尽によって生み出された存在だったとしても、自分の存在が借り物に過ぎないとしても、彼らが『ジャンヌダルクオルタ』に懐いた気持ちは本物だったわけです。
『贋作英霊』は彼女がいなければ生み出されない存在でした。作中で彼女たちの間に何があったのかということはあまり語られませんが、少なくとも『贋作英霊』たちは自分の終わりを受け入れ消えていきます。
これもまたよし、と。
ゆえに『ジャンヌダルクオルタ』も自分の歪さを受け入れ、『それでも私は私である』という己の魂を確立させます。それは『贋作英霊』たちの姿を見ていたからこそ、受け入れることができた結末だったのでしょう。
全体的に軽めに描かれていますが、今回の物語も紛れもなく『型月の物語』といえるでしょう。その中でもかなり分かり易い内容かと思います。
型月入門!
タイガー道場へようこそ。
塔に登ろう。
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