小生小説講座『説得力』

 ベストセラー作家ではない小生の小説講座です。

 むしろ作家というか小説すら書いてねーわけですけど(爆死)


 あ、爆死で思い出しましたが、『FGOサマーガチャ(1)』ですり抜け爆死をしました。ピックアップの星五が来る前に、別の星五が三回も来ましたとさ。


『しねぇぇぇぇ!!!』


 と叫びたくなる状況ですが、今回とは関係ない話ですね。


 せっかくためになるような気がする話を書こうとしているのに、いきなり脱線しては事故になってしまいます。事故文章という事故物件のような文章なわけです。いつものいつもの。


 さて、今回のテーマは『説得力』です。

 物語(設定)に『説得力』を持たせましょう。

 終わり。


 うむ、結論から書くと一行で終わるのに、相変わらず説明しないと伝わらないというジレンマ。まあ、これもその結論に『説得力』を持たせるための文章といえるでしょう。


 小生が今回のテーマを思いついたのは、映画『ジョン・ウィック』を見た後でした。『凄腕の元殺し屋が復讐する』という小生の好きな短絡的なアクション映画です。善悪とか考えずに、頭を空っぽにして楽しめる作品です。


 ここで問題となったのは主人公が『凄腕の(元)殺し屋』という点でした。

 映画のストーリを追っていくと、どうもこの主人公が『凄腕の殺し屋』には思えません。ぶっちゃけ『けっこう弱い』という印象が残りました。


 アクション自体はなかなか良かったのですが、全体的に主人公が苦戦するようなシーンが多く、彼のミスで物事がどんどん悪い方向へと転がっていくという微妙な展開。見終わった後に『間抜けな殺し屋』という言葉が浮かびました。


 つまり、『凄腕の殺し屋』という設定に『説得力』が感じられなかったわけです。


 同じように主人公が苦戦するアクション映画『ダイハード』では、主人公はただの刑事なので苦戦したり血まみれになったりする展開には『説得力』が感じられます。むしろ強過ぎるぐらいですが、それは『主人公補正』というやつですね。


 物語の設定というのはただ『くっ付ければいい』というわけではありません。その設定を物語の中できちんと表現しなければ、そこに『説得力』が無いなのです。

 

 『凄腕の殺し屋』という設定を作ったならば、最初から最後までその設定を保たなければならないわけです。ストーリーの都合で弱くなったり強くなったりしては、それが『上辺だけの設定』になってしまいます。


 もし『強くなる(弱くなる)』にしても、そこには『きちんとした理由』が必要になります。この場合の『きちんとした理由』というのは物語を見ている誰かが『納得する理由』であり、『現実に適した理由(リアリティ)』ではありません。


 例えば『愛する人間が殺された』という理由で、主人公が『復讐鬼となってパワーアップする』という展開は現実的ではありませんが、物語的には『納得できる理由』です。ただの一般人が愛の力で悪党を皆殺しにできるのが物語の世界ですので。


 昔のアクション映画がごつい主人公ばかりだったのは、そこに『強そう』という『説得力』があったからでしょう。『スティーヴン・セガール』が悪党を瞬殺するのも、彼が『スティーヴン・セガール』だからなのですヨ。ぼき。


 もっとも設定に必ずしも『説得力』が必要というわけでもなく、アクション映画で『主人公に弾が当たらない』という設定にあるのは『説得力』ではなく、物語を楽しむための『お約束(共通認識)』です。


『ミステリー小説』で警察が無能であることが多いのも、『お約束』です。探偵が事件を最後まで傍観することが多いのも、『お約束』です。『死亡フラグ』なんてのも『お約束』だと思われ。


『説得力が必要なのか』それとも『お約束で流せるのか』という判断が難しく、最終的には『受け手を納得させることが出来るか』という問題になります。物語の設定や展開に『説得力』が必要なのも、全ては『受け手を納得させるため』なのです。


 物語を作る人々にとっては恐ろしいことですが、たった一つの『説得力の無さ』が物語そのものを崩壊させてしまうことがあります。


 小生にとっては『ジョン・ウィック』という作品がそれでした。『凄腕の殺し屋』という設定は『物語の根幹』であり、そこに『説得力』が感じられなかったというのは作品にとって致命的だったのです。


 もちろん『ジョン・ウィック』という作品を見た視聴者の中には『凄腕の殺し屋』という設定に納得できた方もいたでしょう。『納得できる受け手』もいれば、『納得できない受け手』もいる。物語を描くということの難しさでございます。


 まあ、基本的に『物語の根幹となる設定』に『説得力』が無いと致命的なので、その辺りは十分に注意しましょう。


『説得力』というのは『物語の根』のようなもので、読者が物語を楽しむための『土台』なわけです。それが揺らいでしまえば物語に対しての『不信感』となってしまいます。


 逆に言えば、この『土台』がしっかりとしていれば『細かい部分の説得力の無さ(矛盾)』は見逃されることも多いです。もしくは『想像力で補う』という作業をすることもできます。


『その作品でもっとも重要なことは何なのか?』

『そこに説得力があるのか?』


 ということを意識してみるのもいいかもしれません。


 ちなみにWEB小説の多くは『説得力』のない作品が多く、それを『お約束』や『キャラクターの独創性』などで補っています。『説得力』が無い分、勢いがあるわけですネ。


<結論:面白ければ何でもいい>

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る