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  • 第七章  《アイハ(16)》 -from アイハ-

第七章  《アイハ(16)》 -from アイハ-

『from アイハ』


『ママ

さっきは電話でごめんなさい。


ママの気持ちも考えないで…


私の言いたいことばっかり言っちゃった。


でもね、ママ

私は聞いて欲しい。


ブシおじいちゃんはママの言うような人じゃないと思う。


それは私とママはブシおじいちゃんの関わった年月が違うのはわかる。


そして、ママの言う通り娘と孫の接し方が違うのかも知れない。


でもブシおじいちゃんも変わったのかも知れないよ?


私はもともと優しい人なんだろうなって思う。


ブシおじいちゃんは確かにあまりしゃべらないけど、なんだか私達のことをたくさん考えてくれていると思うよ。


ねぇママ。


こっちで一緒に暮らすこと、考えて欲しい。


とりあえずはパパが早く良くなるように看病します。


今日ね、ママから教えてもらった肉じゃが作ったんだ。


ブシおじいちゃんは何も言わなかったけどなんだか嬉しそうだったよ。


パパは少し食べてまた寝ていました。


落ち着いたらパパとも話し合うね。


あと博士のおじいちゃんに電話したら、今は体力を回復させる時期だから、ひょっとしたら時間が掛かるかも知れないって。

出来れば日本でもいいからゆっくりさせた方がいいみたい。

博士のおじいちゃんにも聞いてみて!


じゃあママ

またメールします。



愛してるよママ

おやすみなさい。』


――――――――――――――――――――――――――――――――――


『from アイハ』

『ママ

今日もたくさんお話ししたね。


電話だと私もなかなか落ち着いて気持ちを伝えるのが難しいからメールするね。


ママ


私、ママのことが大好きだよ。


けっしてママの言うことを聞きたくないから言ってる訳じゃないの。


わかってほしいよ。


私はね、みんながハッピーでいられればそれでいいの。


その為にはみんなで暮らせばいいと思うんだ。


ただそれだけ。


私の進路を本当に心配してくれてありがとう。


ママの気持ちわかるよ。


パパのやりたいようにさせて、私だけ帰って来たり、ママが私の代わりに日本に来て私がそっちで一人暮らしするのもいいかも知れない。


ママが言うように、パパの好きにさせてまたママと二人で暮らすのもいいかも知れない。


博士のおじいちゃんも帰ってくるように言ってた。


私ね、パパかママかなんて選ぶことが出来ない。

どっちも大事だから。


でも今は日本に居たいの。


だからママに来てもらいたいの。


ワガママ言ってごめんなさい。


ママ


ママはゆっくりでいいと思うんだ。


パパのこと。

ブシおじいちゃんのこと。


私には無い二人と過ごした時間がママにはあるから。


きっと考えることもいっぱいあるんだと思う。


だからママ


ゆっくり考えて。

私もママが言ったこと、きちんと考えるから。



今日はね、グラタン作ったんだ。


ブシおじいちゃん食べないかなぁと思ったら、無言で食べてた。


あとパパはバクバク食べていたよ!

ようやくちょっと元気になってきたみたい。


あとね、今日からブシおじいちゃんが仕事に行きました。


なんかねぇ、家を建ててるんだって。


かっこいいよね!


毎日ね、アイハにおみやげでチョコ買ってくれるんだよ!

あ!でもチョコに釣られてる訳じゃないからね!

自分で買えるし!



じゃあママおやすみなさい。

愛してるよママ』


――――――――――――――――――――――――――――――――――


『from アイハ』

『ママ

お仕事お疲れ様


風邪ひいてない?


パパね、まだなんかダルいみたい。


当たり前だよねー。

6年も寝てたんだしねー。


逆によく日本まで来たわ。


ムチャな男だよ。


嫌いじゃないけどね!


今日はパパ、朝から博士とたくさんお話ししてたよ。

聞いた?


パパ寝ちゃったから明日パパから電話させるね。


ママ


元気?

寂しくない?

私帰った方がいい?


電話やメールだと、なかなか気持ちが伝えられない。


パパはね。

なんか一日中寝てる。

さなぎみたくなってる。


ブシおじいちゃんは忙しそうにしてる。


ママ昨日のメールでママも毎日お菓子買ってもらったけど、ほんとはそばにいて欲しかったってあったけど、私も小さかった時からパパいなかったから、少し気持ちわかった。


けど私はママがいたから良かった。

寂しくなかった。

感謝してる。

ありがとうママ。



今日ね、パパとも色々話したんだ。


具合悪そうだったから、休み休みだけど。


パパね。


ママにまだ会わす顔がないって言ってた。


相変わらず行動むちゃくちゃだしね。


でもね、

パパ変わったと思うよ。


なんかね、私達のこと、考えてくれてるように思う。


いや、行動はむちゃくちゃなんだけどね。


博士のおじいちゃんとも話したんだけど、マシンの解析は進んでいて、パパが何を考えていたのかわかるようになってきたって。

まだまだ時間は掛かるみたいだけど。


パパをゆっくり休ませてあげてって言ってた。


ブシおじいちゃんは何も変わらないみたいに生活してるよ。

まるで私達がずっといたみたいなのか、いないものと思ってるのかわからないけど。


今日はお魚にしたんだ。

焼いたお魚とご飯とお味噌汁。


そしたらうまそうにお酒飲んでたよ!


お酒飲んだら少しブシおじいちゃん喋ってくれるんだ。


お仕事の話でわからないけどね!

あそこの“ハリ”がどうだとか言ってたから、“ニードル”?って聞いたら違うっぽかった。


日本語難しいね!


じゃあママおやすみなさい。

また明日ね!


ママ愛してるよ』


――――――――――――――――――――――――――――――――――


『from アイハ』

『ママ

今日ママと話しててパパなんかまたいっぱい謝ってたね!


私もママとお話出来て安心した。

昨日は話せなかったもんね!


やっぱりパパ時間掛かりそうだよね。


身体がきかないみたい。


困ったよねー。


明日からママが言ってたレンタルDVDでパパと日本語の勉強してみるよ!

“おしん”だっけ?

ブシおじいちゃんに言って借りてみる。


ママはブシおじいちゃんと話通じないって言ってたけど分かるわ。


なんか好きにしろってカンジだよね。

日本語で『我関せず』って言うのかな?


なんかネットで調べても難しい言葉ばっかりだよ。


『我関せず』の意味調べるのに一時間掛かったわ。


そんな訳でリスニングから始めます。


こっちの学校行ったらダメかな?


考えておいて。

私はこっちで学びたいことが出来たから、色々知りたいんだ。


日本の文化とか、歴史とか、言語とか。


やっぱり半分は日本人だからね!


でも進路についてはやっぱり話し合わなきゃダメだよね。


ママ

私には私の人生がある。

だから、悔いの無いように生きたいんだ。


パパの受け売りだけどね。


最近思うんだ。


たくさんの人がいて、

たくさんの人生があって、

その人生はたった一つしかなくて、

だったらどう今を生きるのがいいんだろうって。


ずっと、ママとパパを支えて生きていこうって思ってた。


だから料理や洗濯やお家のことを覚えたんだ。


けど、本当に私がやりたいことってなんだろうと最近考えているんだ。


私も色々考えてる。


だから、私はパパとブシおじいちゃんとここで生活出来て良かったと思ってる。


今日はパパがまた難しいこと言ってた。

『思考の方向性が人生を決める』んだって。


だからって家族に迷惑掛けちゃいけないよねー。


ママ

きっとブシおじいちゃんもママに会いたいと思っているよ。


今日ね、ブシおじいちゃんがママのアルバム見せてくれたよ。


ほとんど写真は無かったけど、たくさんたくさん手垢がついてて手の持つところが擦りきれていたよ。


きっとブシおじいちゃんたくさん見たんだろうなぁって思った。


ママ

またメールするね!

お休みなさい。

愛してるよママ』


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