影は光 愛洲移香斎明国刀法伝授記

作者 名月明(アキラ)

54

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★★★ Excellent!!!

 本格的な歴史小説です。
 が、堅苦しくはなくて、魅力的な登場人物たちが繰り広げていく物語に、グイグイ引き込まれていきます。
 この作者様の作品はどれもそうなのですが、緻密な裏付けのもとに大胆な色付けをされていて、血の通った生きた歴史を肌で感じることができます。
 あまり知られていない剣豪のお話で、時代的にもパッとしないように思えるのですが、そんなことは全く気にならないというか、物語にハマってしまって流されていってしまいます。
 歴史小説は読まない、と思っている方も、読み始めたらきっと後戻りはできないはず!

★★★ Excellent!!!

明王朝時代の中国と室町幕府後期の日本を舞台に繰り広げられる、本格歴史小説です。

一見マニアックな題材ながら、作品自体は極めて王道的な内容を踏襲しており、わかりやすいストーリーでした。
私見ながら雑に構成要素を分解してしまうと、実はラノベなどでも人気が高い「主人公最強」+「師弟物」+「チャンバラバトルアクション」展開の作品で、それを丹念に描写された時代背景が支えています。

そして何より、人の温かさと歴史の無常さが入り混じったラストシーンが素晴らしい。
この雄大さの中から生まれ来る感動や寂寥感は、最後まで物語を通読し終えた読者だけが味わうことのできる、歴史小説の醍醐味ではないかと。

歴史ジャンルに苦手意識がある方も、是非ご一読を。

★★★ Excellent!!!

角川の大賞の最終選考まで生き残ったワケが良く分かります。非常に面白かったです。
本作品は歴史物ですが、東アジアの揺れ動く国際関係に翻弄される現代日本人には、歴史物への関心が有る無しに拘らず、読んで貰いたい作品です。
また、史実に律則されるからこそ、何だか物哀しい”その後”を知らされる事にもなる。これこそが歴史小説の醍醐味だとも個人的には考えています。
ところで、歴史小説では時代考証が大切だとは頭で理解しているのですが、こんなマイナー(失礼)な人物の足跡は如何にして調べるのでありましょうか? そのプロセスをドキュメンタリーとして作品に仕立て上がれば、歴史小説作家の輩出に多大な影響を与えると思います。

★★★ Excellent!!!

歴史小説の面白さ、というのは自分の知らない歴史に出会えることだと思います。この小説はその面白さを十二分に満たしてくれます。

中国王朝と日本の関係という大きな視点から、個人同士の怨嗟や友情などの小さな視点まで網羅しています。

これほどの歴史小説を書ける人はそうはいないでしょう。
文句なしのオススメです。

太郎左衛門カッコイイ!

★★★ Excellent!!!

資料もしっかり調べてあるみたいですし、中国と日本のどちらの良さも出ているのがいいです。チャンバラだけじゃなくて宮廷の政治や恋愛要素もちょっとだけあったりして、いろんな楽しみ方ができました。

カクヨムってこんな真面目な感じの作品もあるんですね。ライトノベルばっかり読んでた私にはとても新鮮に感じました。これからはもっと歴史ものも読んでみたいです!

★★★ Excellent!!!

あっ、やべぇこれ天才だ。

中盤まで読んだとき、確信に変わりました。
カクヨムの歴史小説で、間違いなくこれがナンバーワンです。

戦国時代に突入する直前の、室町時代に愛洲あり。
長男・太郎左衛門は流浪の剣豪なれど、実は明国(中国)へ渡り、勇名を轟かせていたのではないか…?

そんな仮説を元に、本著は愛洲太郎左衛門の活劇を生き生きと描いています。
明国の史実と、日本に残る文献とを照らし合わせ、本当に太郎左衛門は大陸へ渡っていたんじゃないかと信じてしまいそうです。それくらい取材が綿密です。
また、時代考証も行き届いています。当時の生活様式や風習が仔細に綴られ、フィクションとして用意された作中オリジナルキャラクターも、実在する歴史上の人物かと勘違いしていました(笑)。

凋落の一途を辿る明国に赴いた太郎左衛門が、日本刀の剣術を駆使し、ときには明国人を指南し、やがて明国の皇太子暗殺事件を阻止するに至るという、ヒロイックファンタジーの大傑作!

仮説による冒険活劇なので、ファンタジー小説としても優れています。
歴史モノは苦手…という方も、和風ファンタジー無双として読んでみてはいかがでしょうか?

最強の剣客が悪漢をバタバタとやっつける…ほら、面白そうでしょう?
面白いから!!

★★★ Excellent!!!

なんだ……なんだこれ!

そうか、小説とはこう書くものなのか。
そうか、剣豪とはこう表現するものなのか。
そうか、剣術とはこういうものであったのか。

これが店頭に並んでいないのはこの国の損失だ。
師弟の絆、家族の愛憎、日中と諸民族の文化交流、そして卓抜した活劇。どれもが期待を2周引き離してかっ飛ばしてる。

これは本物だ。
わざとらしい擬音に溢れているチャンバラ小説でもなければ、薀蓄が際限なく続く歴史の知識自慢でもない。
血の通った真の剣豪が大陸に渡り、日本人の汚名を濯ぎ真の剣術を伝える雄大なドラマだ。

心が震え、手に汗を握った。
これは必ず評価される。
こんなに面白い作品が野に埋もれていいわけがない。

なぜ、影は光なのか?
このタイトルの二重の意味を知るため、今すぐカクヨムの読者全員に全部読んで欲しい。

紙で発売されたら3冊くらい買います!
面白かったです!
エクセレント!
おかわり!

★★★ Excellent!!!

まごうことなき傑作。
剣豪小説ではあるが剣戟を交わす場面は多くなく、登場人物らの心情が実に上手く描かれている。
なにしろこれは剣豪が敵を打ち負かすのではなく、多くの人々を救済する物語なのだ。
主人公・太郎左衛門と関わる様々な人々、彼らの様々な心情――倭寇を憎む心、家族を偲ぶ心、愛する者を苦しめる心が、次第に変化してゆくさまは実に感慨深い。

また、私も独自に愛洲移香斎とその子孫、ならびに影流について調査をしている中で本作と出会い、作者の知識量に舌を巻いた。
日中両国の歴史にここまで通じるには相当の勉強をされたに違いない。ただただ敬服するばかりである。

★★ Very Good!!

たまたま検索ワードに引っかかった小説をつらつらと読んでみたら、最後までノンストップで読みふけってしまいました。
ストレートど真ん中の王道な物語でしたが、だからこそ面白かった。戦国日本の剣豪と中国明朝の武将のコラボレーションは、なるほどこの時代のこの人ならという納得のシチュエーションと説得力。妖術、謀略、そしてチャンバラ。
歴史好きとしてはこういう小説に出会えて本当に良かったと思う。

★★ Very Good!!

 歴史小説といえば、戦国か幕末がお約束、という感が無きにしも非ずである。しかし本作は、あえて多くの読者に馴染みのない時代設定を駆使しつつ、実に魅力的な物語を展開している。

 明朝の宮廷で企てられる陰謀の数々。対抗するは若き皇太子と日本の剣士。歴史小説のロマンを十分に堪能できる作品である。

 惜しむらくは、やや説明過多な部分に興を削がれる点か。ジャンルの性質上、ある程度はやむをえないのかもしれないが、語句の説明をそのつど括弧()に入れて説明するのは、読者からすればいかがなものかと感じないでもない。

 しかしそれも些細な欠点である。斬新な視点による硬派な歴史小説として、多くの読者に薦められる作品である。