「報酬として、この地図と鍵をもらう」

「ならば、これは私がもらい受けてもいいか」

「えっ」

 ミョミョルはミャイを見て、首を縦に動かした。

「ええ、もちろん。なんでも好きにしてください」

「そうか」

 私は代金をミョミョルに返した。

「報酬として、この地図と鍵をもらう」

「……いいんですか」

「豆のプリンも馳走≪ちそう≫になったしな」

「ありがとうございます」

 ミョミョルがうれしそうにする。ミャイは私がどうするのかを、うかがうようにじっと見ていた。

「私は仕事を休めるかを聞いてみよう。ミャイは両親にこのことを説明し、出発の許可を得なければな」

「じゃあ……」

「ああ。許可が出れば、探索に出るとしよう」

 木の実屋が森に入って収穫をすると言っているのだから、入っても問題のない場所なのだろう。

「どんなものが必要なのか、調べて準備もしておかねばな」

 木の実の収穫もついでにできれば、いい土産にもなる。

「うん! ああ、楽しみだなぁ」

 うかれるミャイを心配そうな目で、しかしほほえみながら見ていたミョミョルが腰を上げた。

「それでは、私はそろそろお暇≪いとま≫させていただきますね」

「ああ。また店に食べにいかせてもらう」

「宝物がなんだったのか、報告しにいくね!」

 私たちの見送りに頭を下げたミョミョルが、階段を下りていく姿をながめる私の耳を、店から聞こえるにぎやかな声が打った。

 さて。

 ミャイの両親は、出立を許可するだろうか。

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