【登場人物紹介と用語解説】

主要登場人物

*シグリド・レンオアムダール*

 「火竜の谷レンオアムダール」出身の「双頭の火竜」と呼ばれる傭兵。人並み外れた身体能力と戦闘本能で恐れられ、「ふたあたま」「妖魔殺しの黒竜」の二つ名を持つ、黒髪にみどり色の瞳の青年。妖魔達からは「火竜の子」と呼ばれている。左の肩から手首にかけて「二つの頭を持つ黒い火竜」の刺青が彫り込まれている。第1部では十七歳、第2部では二十七歳。


*(ラスエル)ファラン*

 プリエヴィラ出身の「癒しの箱」の治癒師。人の痛みに共感できる不思議な力を持つ。妖魔達からは「天竜の娘」と呼ばれている。明るい炎のような赤い巻毛と青灰色の瞳の少女。小柄で、長身のシグリドの胸元にやっと頭の先が届くほど。第1部では十歳、第2部では二十歳。


*シエル・レンオアムダール*

 シグリドの従兄で八歳年上の兄代わり。アンパヴァールの領主に仕える刀鍛冶師/金細工師。艶やかな蜂蜜色の髪と明るい空色の瞳を持つ。


*アスラン(・ウォルカシア)・ティシュトリエン*

 東の武装大国ティシュトリアの元軍人で貴族。アンパヴァールの領主の居城を守護する兵士を統括する大隊長。シエルの親友。浅黒い肌と短く刈り込んだ金髪を持つ。第1部では三十六歳。


*ディーネ*

 アンパヴァールの領主の居城に住む「罪戯つみざれ」の娘。ロスタルの妹。月色の髪と妖魔特有の縦長の瞳孔が浮かぶ紅玉の瞳を持つ。


*ロスタル*

 ザラシュトラの護衛でディーネの兄。白銀の髪と薄青色の瞳を持つ。時に巨大な白い狼の姿をとる。


*ザラシュトラ*

 スェヴェリス最後の王の娘で、他人の身体を魂の「うつわ」として生き続ける妖術師。本来の姿は黒髪に紺碧の瞳を持つ少女。


*アプサリス*

 姿形を自由自在に変える「水妖フーア」という種の妖魔。「妖魔の女王」「夢魔の女王」と呼ばれる聖魔。戦場では「戦さ鴉」の名で恐れ崇めらる存在。普段は赤く燃える火の粉を星屑のように散りばめた銀灰色の髪と、紅い炎が揺れる金色の瞳を持つ妖艶な女の姿。時に銀灰色の鴉の姿を取る。


*ヤムリカ*

 「有翼の蛇グィベル」という種の妖魔。「聖なる蛇」とも呼ばれる愛情深く心優しい聖魔。顔立ちは宿主だったディーネと瓜二つ。全身を虹色に光る鱗に覆われ、腰から下は蛇の姿で、真珠色に光り輝く美しい翼を持つ。短編集「夜闇の薄明かり」の第2話『翼ある蛇の姫』で、グィベルが妖魔から聖魔となった経緯が語られている。


*ラスエル*

 「天竜」と呼ばれる聖魔。全ての「魔の系譜」を統べる王で、「狭間」につながる数多あまたの世界の創造主。アプサリスやヤムリカなどの聖魔を従え、人間と妖魔の世界の調和を乱すものがないよう、「狭間」につながる全ての世界を見守っている。普段は青く輝く大きな翼を持つ竜。時に青みを帯びた黒髪の青年の姿を取る。短編集「夜闇の薄明かり」の第3話『贄(にえ)の姫と竜の石』に「魂の伴侶」との出逢いが語られている。


*パルヴィーズ(・タルトゥス・アルコヴァル)*

 語り部として大陸を放浪する黄金色の髪と明るい空色の瞳の若者。「タルトゥスの永遠の王」「もう一つの指輪を持つ者」の名を持つ。


*タリスニール*

 「嘆きの森」を守護する聖獣。「角の王」と呼ばれる黄金の捻れた角を持つ角山羊マーコール


*リアナン*

 「嘆きの森」で不思議な力を持つ「聖なる泉」を守る泉の精霊。


*ノイシュ*

 七王国時代に滅びた王国カリュオン最後の王。


*エディル*

 ラスエルクラティアの術師の館に仕える「癒しの箱」の治癒師。優しい顔立ちで亜麻色の髪とハシバミ色の瞳を持つ青年。


*ラウィネ*

 スェヴェリスの女術師から生まれた「罪戯れ」で、七王国時代の初代タルトゥス王の愛妾。パルヴィーズの母。タルトゥスでは「スェヴェリスのラウィネ」「貴婦人」と呼ばれている。


*ラーガ*

 ラウィネの中に宿っていた水妖。短編集「夜闇の薄明かり」の第5話『冷たい夜の獣の王国』でスェヴェリスの伝説の女王との因縁が語られている。


*ラヴァル*

 タルトゥスの二代目の王で、パルヴィーズの異母弟。


*レティシア*

 城塞都市タルトゥスの若き領主。黄金色の長い髪と薄紫色の瞳を持つ十五歳の勝気な少女。


*アルスレッド*

 レティシアの従兄。「タルトゥスの右腕」と呼ばれる優れた戦士。戦さで兄を失ったレティシアの兄代わり。栗色の髪とハシバミ色の瞳を持つ。


*ワズイール*

 レティシアとアルスレッドの祖父で、元タルトゥス領主。


*ザシュア*

 ラスエルクラティアの天竜の神殿の巫女姫。黄金色の髪と薄紫色の瞳を持つ。


*エスキル*

 ティシュトリア現国王の嫡子。燃えるような赤い髪を短く刈り込み、冷酷非情の戦士として知られる若草色の瞳の若者。


*イスファル*

 「王の盾」と呼ばれるティシュトリア国王の側近で、王国軍の将軍。白髪まじりの金髪と紺碧の瞳を持つ。


*タイース*

 イスファルの第5子。年長の兄を全て戦さで失ったため、ウォルカシア家の嫡子とされている。明るい金色の髪と緑の瞳を持つ。


*アルファド*

 イスファルの側近。タイースとその長兄達の幼馴染。


*エレミア*

 ティシュトリアの現国王。金色の髪ととび色の瞳を持つ美丈夫で、女好きで知られ多くの側妻そばめを持つが、戦場では冷酷非情な戦士として恐れられている。エスキルの父。


*グウィネリア*

 エレミアの伯母。王位を狙って謀反を起こしたが捕らえられ処刑された。


*リライラ*

 アスランの幼馴染で妻。アスランとの間に一人息子のソレルを生んだ。


*パルサヴァード*

 ラスエルクラティア国王で、天竜の神殿を束ねる大神官。人に見えぬものを感じる力を持つ。亜麻色の髪と緑の瞳を持つ。


*アシャラ*

 幼い頃のザラシュトラに仕えた「使い魔」で乳母。大きな黒い翼と鋭い鉤爪を持つ女の妖魔。


*ウシュリア*

 天竜ラスエルの「魂の伴侶」として大陸に古くから伝えられる伝説の聖女。

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