作家の権利
こんばんは、埴輪です!
図書館の新入荷コーナーでふと見かけた『出版・マンガビジネスの著作権(第2版)』を借りて読んだことで、作家の権利について深く考えさせられました。
著作権なんてプロデビューしてから考えればいい……私もそう思っておりましたが、実際に著作権……「著作者の権利」の内容を知れば知るほど、これはプロアマ問わず、著作物を創作する人は知っておかなければならないことだと実感しました。
……というのも、出版されているかどうかに関わらず、全ての著作物には著作者の権利――著作権と著作者人格権――が認められているからです。(著作物とは何かという定義も別途あるのですが、小説は著作物として認められています)
また、著作者の権利が認められるためには申請の必要もなく、要はカクヨムで公開されている作品も全て、それぞれ著作者の権利によって守られていると言えます。
著作者の権利の中には、著作物を出版物として出版するために必要な「複製権」と「譲渡権」も含まれていて……つまり、小説を出版する権利を持っているのは著作者であり、出版社が小説を出版することができるのも、著作者が出版社に対して「出版の承諾」をしているからに他なりません。
単純に権利だけを見れば、出版に関する主導権は著作者にあるのですが、この関係は契約内容次第という側面もあり、たとえば「著作権を出版社に譲渡する」という契約を交わしてしまうと、著作者人格権を除く全ての権利が出版社に移譲されれてしまうことになり、さらに著作者人格権の行使もできような契約であれば、もはやその小説は自分のものであると主張することすら難しくなります。
さすがにここまで露骨な契約はないと信じたいところですが、どんな内容だろうと契約したらそこで終わり……知らなかった、そんなつもりはなかったと言っても後の祭りで、それは大変に恐ろしいことでもありますが、それは逆に言えば、著作権がそれだけ大きな力を持っているということでもあります。
著作権に対して思うことは人それぞれだと思いますが、この世界で著作物を創作し続ける限り、何を思ったところで著作権を避けて通ることができませんから、それがどんな権利なのか、どのような力を持っているのか……小説という著作物を創作している以上、作家がそれを知ることは必要なことなのだろうと思います。
――ちなみに。
コンテストに作品を応募する際には、受賞作がどのよう扱いを受けることになるのか、しっかりと確認しておいた方が良いと思います。
繰り返しになりますが、作品を出版する権利が認められているのは作家です。
自分の作品をどの出版社から出したいか……そんな基準で応募するコンテストを選ぶことも、決しておこがましいことではないのではないかと思います。
【補足】
上記の「著作者の権利」に関する記述は、あくまで私の理解に基づくものであり、何らかの間違いや勘違いをしている可能性もありますので、ご注意ください。
もっと正確に著作権について知りたいと思った方は、本文でも触れた『出版・マンガビジネスの著作権(第2版)』などの専門書を参照してください!
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