「NOVEL 0編集部が読みたいエンタメ小説コンテスト」

こんばんは、埴輪です!


先日、幻冬舎ルネッサンス新社の方と個人出版のお話をさせて頂く中で、作家と編集者は二人三脚で本を作り上げていくものなのだと実感しました。


「プロの作家さんでも、書き上げた作品がそのまま本になることはありません」


……私の担当となってくれた方がそう仰るのももっともで、編集提案・組版・校正・校閲と、その全てを作者一人でやりきるのは大変なことですから、よりよい本を作り上げるには、編集者の全面的な協力が必要不可欠だろうと思います。(初めて本を出すという素人なら尚更、編集者の助けが必要となります)


――それだけに、NOVEL 0「第二回大人が読みたいエンタメ小説コンテスト」の最終選考結果を見て、私は愕然としました。


二部門とも大賞該当作品がなく、特別賞すらないというのも驚きでしたが、何よりをも私を驚かせたのは、ピックアップ作品に対する講評です。


講評を見る限り、NOVEL 0編集部はピックアップ作品に何が足りないのかを把握しているようなので、「その筆力や発想に可能性を感じ」て、「将来性があるという判断」をしたというのなら、編集者がそれを作者に伝え、指導し、作品を書籍化に足るレベルまで引き上げれば良いのではと、私は思わずにはいられませんでした。


私は小説コンテストや編集部はこうあるべきだと主張したいわけではありませんが、今回の結果を見る限り、選考委員であるNOVEL 0編集部は作家を育てようとは考えておらず、お眼鏡に適った作品を選び出すためだけに、コンテストを実施しているではないかと、私は考えます。(それならば、小説コンテストにしては異例ともいえる短い期間を経て第二回のコンテストが実施されたことにも頷けます)


また、読者選考によるランキング上位作品と、NOVEL 0編集部からピックアップされた作品が最終選考対象作品としてエントリーされていたことを考えると、いずれの選考方法もNOVEL 0編集部のお眼鏡に適う作品を選び出すことができなかったことにもなり、事実、総評には「応募作に若干の物足りなさを覚えたことも事実である」と記されていることから、「大人が読みたい」ではなく、「NOVEL 0編集部が読みたい」エンタメ小説コンテストだったというのが、私の見解です。


どこの出版社でもいいから書籍化したい、プロデビューしたいと多くの作家が願っているとは思いますが、自分の作品をどの出版社で書籍化するべきか、自分の作品を最も大切にしてくれる出版社はどこなのか……そういったことを考えることも、作者には必要なことなのかもしれません。

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