ストーリーは口実であるということ
こんにちは、埴輪です!
日付を見たら四日振りで驚いている私です!
……そんなに経ってたのか。
いやはや、月日の経つのは早いものですね!
――でもって。
このところFF14関係の話題が多かったので、久々に小説関係の話題を。
先日、以下の本を読みました。
『人はなぜ物語を求めるのか』
物語の書き手にとっても、また読み手にとっても考えさせられることの多い、とても面白い本でしたが、次の一説を読んで眼から鱗でした!
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文章それ自体がおもしろい書き手は「内容面での報告価値」がどうとかまったく気にならないようなめちゃくちゃおもしろい小説を書いてしまっている。
口語の発話でも小説でも、ストーリーの内容ではなく、パフォーマンス(話芸)それ自体のセンスや技術を楽しむことができるのです。
(前略)小説というものはべつに、ストーリーを伝えるための器である必要はありません。小説にとってストーリーはむしろ、文章それ自体の面白さを発揮するための口実のようなものでもぜんぜんかまわない。
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「ストーリー」や「内容面での報告価値」の定義については、本書を読んで頂いた方が誤解が少ない思いますが、ここではいずれも字面通りに解釈してください。
ともあれ、これを読んだ私は、今の自分に足りないものはパフォーマンスのセンスや技術だということを痛感した次第です。
私はストーリーに注力し、それが自分の武器だと思っていましたが、それは単にパフォーマンスのセンスや技術がないからこそ……ストーリーに注目して貰うより他にないというのが、現実ではないかと。
少なくとも、エンターテインメント小説に求められているのは、「文章それ自体が面白いこと」だと思いますし、だからこそストーリーは紋切り型……たとえば「異世界転生」であろうとも、それを口実にしてめちゃくちゃ面白い小説を書くことは可能であり、それができる人がプロとなっていくのだろうと思います。(ではなぜ「脱異世界」の流れが起きているかと言えば、誰もが「異世界転生」を口実にしたため、口実そのものが飽きられてしまったのだろうと思います。確かに、「異世界転生」と言うだけで大まかな内容を読者に了承して貰える訳ですから、パフォーマンスのセンスや技術を発揮するには、またとない口実だったのだろうと思います。)
ここ最近、私がよく思うのは「文章を書くことは技術」だということです。
それは小説も然りで、私が小説を書けるようになったのは、小説を書くための技術を身につけることができたからです。
もちろん、最初は何をどう書いたらいいのか分かりませんから、既存の小説を参考にして、それっぽいものを書いていたわけですが、それを何度も続ける内に、どう書けばいいのか、どう書くべきなのか、どう書いてはいけないのか……そういったことが分かるようになってきたように思います。
こうした技術を事細かに説明していくことは可能だと思いますし、その通りにやれば私と同等の文章力を身につけることもできる……要は、スポーツ選手が適切な練習メニューをこなすことで上達していくのと同じことです。
その一方で、同じ練習メニューをこなしていても、上達振りや腕前に差が出てくるのもまたスポーツと同じであり、私はと言えば、プロのスポーツ選手になれる人とそうではない人の差、違いという現実に直面しているのだろうと思います。
……いやいや、そんな大それた話ではなく、単に練習不足だという指摘も
では何が必要かと自分なりに考えた結果、辿り着いたのは「限界を越えろ!」と「逸脱せよ!」という二つの言葉です。
これは自分の作品が小さくまとまってしまうという自覚があるからで、一目見て「凄い!」と思えるようなインパクトが必要だろうと思っていました。
そんな中、上記の本を読んだことで、自分がストーリーを大切にする余り、「文章の面白さ」という部分には注意が向いていなかったのではないかと思った次第です。
……とはいえ、私にとってストーリーは大切なもので、それを欠くような……書きたいと思えないようなストーリーで小説を書くことは苦痛でしかありません。(それでも書くのがプロだとは思いますが、今はまだプロを意識しているアマチュアであり、こういう作品を書くことができる、得意だということをアピールする段階であって、そこで自分が書きたくないものを書いてデビューしてしまうと本末転倒だと思いますし、だからこそ、私は「異世界転生」を書かなかったのだろうと思います)
ですから、今まで通りストーリーを大切にしながらも、面白い文章が映えるような舞台を整えていく……具体的には、魅力的なキャラクター達が楽しく掛け合いをすることができることを意識しながら、執筆を進めていきたいと思います!
……この近況ノートも、いずれ内容に関係なく面白くなりますように!
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