不死者狩り7

 その後もいろいろな不死者のところを周りましたが、基本的に先生が使ったのは不意打ち、搦め手、罠、と様々な方法で正面戦闘を回避し、こっそりと不死者を殺して周っていました。

「先生って、武闘派って噂だったんですけど、違うんですか?」

「何言ってるんだい、こんなつまらない奴らをつまらない方法で殺して周ってるのはテロリカちゃんのためなのよ」

「え、そうなんですか?」

「テロリカちゃんは戦うの苦手でしょう?だからこうやって、直接戦わないで済む方法を教えてるのよ?」

「そうだったんですか」

「そうよ、だからもっとしっかり見て覚えるのよ」

 ちゃんと覚えておきましょうか。リベルを殺した後は一人でやらなければならないですし、戦わないで殺せるならばそれに越したことはないですしね。

「でも、せっかくだから」

「せっかくだから?」

「そろそろ大体の殺し方は教えたし、本来の戦闘ってやつを見せてあげる」

 だんだん、ハメ手も雑になってきてましたし、戦いたかったんですね。

「というわけで、次の不死者はこれよ」

 そう言って取り出したのは元々あった不死者のリストの束とは別に持っていた不死者の資料を取り出しました。

「種族は魔族、年齢は五万七千三百余年、不死特性は無限再生、備考、かつて魔王と呼ばれ、封印された存在?」

「ちょっと気晴らしにね」

「気晴らしに倒すような存在じゃないですよ!魔王って何ですか魔王って」

「魔王は魔王よ。ちょっと強い魔族」

「本当に少し強いだけの魔族が魔王なんて呼ばれるわけないじゃないですか」

「魔王でも、種族の寿命をオーバーしちゃったら死神の討伐対象になっちゃうのよ。はかないわねぇ」

「はかなくしてるのは誰なんですか」

「寿命になっても肉体を捨てられない奴が悪いのよ、魂が歪み始めたら面倒なことになるってのに」

「そういえば、歪んだ魂ってどうなるんですか?」

「歪んだ魂はね、転生できないのよ。魂に人格がしみ込んじゃって、転生の際の初期化がうまくいかなくなってしまうの。そうなってしまうと世界に存在する魂の全体数が減ってしまうから、歪んだ魂が増えると世界が衰退してしまうのよ」

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