大図書館6
それから私たちは何度も魔導書に追いかけられ、歴史書の順番を並べ替え、本を床に直置きし、ゴーレムを追いかけ、時には休憩として本を読みを繰り返し、図書館の奥へ奥へと潜っていきました。
「最近司書達の動きが多いと思ったら、あなたでしたか、と僕はテロリカへ言った」
本を直置きしてゴーレムが来るのを待っていると、現れたのはゴーレムではなく、リベルティでした。
気づかれてしまったようですね。このままでは現世もしくは冥界に強制送還されてしまいそうなんですけど。なんとかしなければ。なんとか、なんとか。
「君は何をしにここへ来たんですか?と僕はテロリカへ問いかけた」
「私は、ですね」なにか言い訳を考えなければ。素直に「リベルを殺しに来ました」なんて言ったら間違いなく確保されてリベルを殺すことなんて絶対に叶わない。
「私は、リベルの仕事を手伝いに来たんです」
リベルの元に行くことを考えてたら、勝手に口が動いた。これをリベルティが信じてくれれば、うまくいけばリベルのところに連れて行ってもらえるでしょう。
「なるほど…………、と僕は考え込む」
やっぱり信じてもらえませんかね?信じても私たちの手伝いなんていらないとか?
「そうですね、人手は多いに越したことはありません。手伝ってもらいましょうか、と僕はテロリカへ言った」
信じてもらえたようです。
「そちらの大きい人も手伝ってくれるのですか?と僕はファボスに問いかけた」
「うむ、俺は力が強いからな、本を一気にどれだけでも運べるだろう」
「わかりました、では案内しましょう、と僕はテロリカとファボスへ言った」
どうにかなったようです。でも、案内される間にどうにかして手伝いをしながらリベルを殺す方法を考えなければいけなくなったようです。
今持っている道具は、「身隠しの羽衣」「虚無穴」「時間圧縮スクロール」「魔界サメのアギト」、それと「私の作ったスープ」だけで。元々は「虚無穴」というどこまでも落下することのできる底の無い穴に落として、圧縮された時間の中、数年間連続での落下を体験してもらった後に、私の作ったスープを飲ませてから魔界サメのアギトで肉体を粉砕し、魂だけの状態にしてから魂を回収する予定だったのですが、手間がかかるのでこの場合は実行が難しいですね。
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