天界2
天界へ攻め込むのはいいとして、問題は手段ですね。
天界へ行く方法自体はトラトに頼めばいいのですが、何度も使えるって保証がないんですよね。トラト自身は何度でもいいと思うんですが、それを咎める人がいるらしいので、一回は見逃してもらえても二回目は無いような気がします。
天界の状況を知れるか、いるであろうリベルの城の警備を突破する方法は何かないでしょうか。
「ねぇテロリカ、何か忙しそうね。リベルも見当たらないみたいだし、来たばっかりだけど帰ろうかしら」
考えていたらアクシーさんがきました。
「待ってください。アクシーさんもリベル奪還作戦に参加してくれませんか。どうにも私だけでは限界があるようなので」
「奪還?アレ攫われちゃったの?」
「そんな感じです。ちょっと厄介な場所でして、知識と人手がいるんですよ。ちなみに助けに行かなかったら、帰ってくるのは最短でも四千年後らしいですよ」
「なんでアレはそんなに面倒な事にばっかりなるのよ……」
「協力してくれます?」
「早くリベルを殺してやりたいのは私も同じだからね。それが四千年後になっちゃったら私も流石に死んじゃってるし」
悪魔の寿命は四万年程なのだという。
「私が生きているうちに、アレを殺してしまわないと、私のエリート悪魔としての地位に返り咲く計画が台無しになっちゃうどころか、死ぬまであのひもじい生活を続けなければならなくなっちゃうからね」
そんな悲しげに言わないでくださいよ。同情しちゃうじゃないですか。
「なんにせよ、リベルを殺すのに必要だって言うのならなんだって協力するわ」
「ありがとうございます。では早速、アクシーさんは天界へ行ったことがあるんですよね」
「天界?あるけど、リベルって今、天界に囚われてるの?」
「何度ぐらい行きました?」
どうせ召喚されたとき一回だけでしょうが、情報が全く無いよりはましです。
「召喚された時と、それから何度か死なないの?って言いに行ったぐらいで五回くらいね」
「え、アクシーさん自力で天界に行けるんですか」
天界へ行く手段って向こうから門を開いてもらうしかないんじゃ。
「行けるわよ。契約者の周りだけだけどね」
「逆に言えば、リベルのすぐそばに行けるってこと?」
悪魔ってすごい。いや、契約の力がすごいんでしょうか。チラリとトラトのドヤ顔が脳裏をよぎる。
「そういうことね」
「私をリベルのところに連れていってください!」
「それは無理よ、魔界に行ったときとは別だもの。私一人で行けるだけ」
なるほど、私自身も連れて行けるというのならば、その場で殺すこともできましたが、アクシーさん単独ではそれもできませんね。
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