破壊神きたれり5
「さて約束事も決めたことだし、そのアイギスをぶん殴らさせてもらおうか」
そうでした、このアイギスを殴って壊せなかったら今日のところは諦めて帰るという約束でした。
「ではリベル、これを構えてください」
「何言ってるんだテロリカ、アイギスを構えるのは君だよ」
は?
「ちょっと、ちょっと?何を言っているんでか。私がこれ構えてて、もし万が一のことがあったら私が死んじゃいますよ?リベルが構えればいいじゃないですか。どうせ死なないんだし」
「いや、僕が構えてしまったらそれは僕とファボスの勝負の一環ということになってしまうからね」
「なるほどな、リベルとの勝負では俺は物を壊せない。それでは盾を壊せるかどうかという勝負自体が意味をなさない。そういうことだな」
ファボスも納得しないでくださいよ。アイギス・レプリカの耐久力は絶対って本当ですよね?絶対壊れないし、絶対に衝撃も使用者に通さないんですよね?
「大丈夫だよ。僕が知っている限りではそのアイギス・レプリカが壊れたり、使用者を守れなかったことは一度たりともない。筋力魔神のファボスの攻撃を受けたという実績はないけどね」
「最後のそれがあるから安心できないんですよ!ていうか私も私が持つことになるってわかっていたらこんな物持ってきませんでしたよ!」
「私には絶対無理!やらない!」と言いながら抵抗する私を抑えようとしてくる二人をアイギス・レプリカで防いでいたものの、二人は「こうなったらこのまま殴ればいいんじゃないか」という結論に達して、ファボスが構え始めた。
「覚悟はできたな?小娘」
「できてませんよ!」
「ならばよし、舌を嚙まないよう歯食いしばっておけ!」
「話を聞いてぇ!」
抵抗むなしく、ファボスの拳は放たれてしまった、この拳が私に向けられるなんて……。死んだ、間違いなく死んだ。人生二度目の死を迎える。死神としての仕事は一つも終わらせることができずに来世に行くことになってしまう。もう一回死神としての生をもらえたりしないかな?ダメだろうなぁ……。
とかなんとか走馬燈のように頭をよぎっているうちに、ファボスの拳がアイギス・レプリカと接触した。
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