原点回帰

色めき立つテトラポットの銃創

ソラを遊ばす子供らの声

夕立が濡らした朱の色に

倒れた人の一雫

羽ばたくことなく空を征く

鳥を墜とせ雷よ

宵闇咲いて陽を真似る

文が明かした街に似て


逡巡の果てに月に雪

乙女の肌にみる仮生

音の途絶えた夢を見て

君が連れ去る道を征く


許しを授け胸に刻んだ朝なのに

慟哭に崩れる帰途を知るなんて

理想に眩んだ明日の果てへ

共に帰る者もなく

母の嘆きが胸を梳く

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