月に砕ける夢

月に砕ける夢として

暁に消えた人を照らす

炯々と浮かぶ二つの月光

とうに身体は消え果てて未だ窮せず

三矢はいつか苔むして細石

巌が繋ぎとめるその意志を

火花にして空を焼く

地上の日向は赤日となり

心を照らし明日を呼ぶ

今が目覚めて呼びかける

誰もそれに振り向かず明日ばかりを求め征く

”蛹は蝶に開花する”

真実さえも目にくれず

まだ見ぬ明日を求め征く

月は静かに傾いて

斜陽が人を抱いて夢を焼く

誰もそれに気づかずに希望の意味を歌い出す


月に砕ける夢として

誰も知らぬが夢という

静寂に浮かぶが希望という

誰もそれに気づかない

砕けて星になる夢は

すべて焼かれて消え果てる

誰もそれに気づかない

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