篝火

読み終えた本を篝火に

黄昏の民を真似ている

何も持たないキミの元

万象の色が瞳を焼いて白い星が生まれ来る


嵐の御子として荒げた声は

叢雲呼び寄せ月を抱き

白無垢を着せる生娘に

束ねた恋を歌にした古人の裾は春風に


緑の大海の尾根を往く

キミを見初めるための道

黄昏の民が呼んでいる

キミの声は鳥になり風を知らせて夜になる


宝を燃やして灰にして

旅人の星を見つけ出す

篝火に燃えた万象は

煙に巻かれて消えていく黄昏の民の朱い瞳に抱かれて

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