エピソード33/木綿子んチ
ちょっと時間が前後してしまうが、
台所で木綿子の両親と木綿子が話をする。
木綿子の母「あんた、本当に勉強をしていたの?」
木綿子「本当よ。何をしていたと思うの!?」
木綿子の母「何って言われても困るけど」
木綿子「
木綿子の母「そうなんだ」
木綿子「私は付き合いでしているだけなんだけどね」
木綿子の母「そう」
木綿子の父は何も言わずに、二人の会話を聞いていた。
木綿子「でも、
木綿子の母「へぇ~」
木綿子「絵美の成績がぐんと良くなったのも分かる様な気がする」
木綿子の母「でも、本当に良かったわ」
木綿子「何が?」
木綿子の母「あんた、中学の時は遊んでばかりで、家にも帰って来なかったり」
木綿子「そんなの当たり前でしょ。お父さんとお母さん、喧嘩ばかりしていたじゃん」
木綿子の父「ははは」
木綿子の父は申し訳なさそうに苦笑した。
木綿子「私、本当に家にいるのが嫌で嫌で仕方がなかったのよ」
木綿子の母「それは本当にごめんなさいね。
木綿子「本当、姉さんが就職して家を出て行ったら、お父さん、急におとなしくなっちゃってさ」
木綿子の父「ははは」
木綿子の父は、今度はバツが悪そうに苦笑した。
木綿子「まあ、今は、それでなんとなく、上手くいっている様には感じるからさ」
木綿子の母「ふふふ」
木綿子「それじゃ、私はお風呂に入ってくるね」
木綿子はそう言うと、椅子から立ち上がって風呂場へ行った。
木綿子の母「あなた、何、苦笑いばかりしているのよ」
木綿子の父「ははは」
木綿子の母「全く。あなたの所為なんだからね」
木綿子の父「分かっているよ。だから、苦笑いをするしかなかったんじゃないか」
木綿子の母「本当に子供達には悪い事をしちゃったわね」
木綿子の父「そうだな」
冬を迎える前の木綿子の家での一幕であった。
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