仕事をやめるたった一つのやり方

作者 七瀬夏扉@ななせなつひ

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★★★ Excellent!!!

 ストーリーは込み入っておらず単純で先の展開は読みやすい。しかしながら、テンポの良さと表現でぐいぐいと読者を引きずり込んでいく。まさに『ストーリーテリングの妙』が結実した作品と言えよう。
 テーマや登場技術は単純でよくあるものだが、それを感じさせない進行でエンターテイメントとして映像化に適した作品である。

★★★ Excellent!!!

タイトルとキャッチコピー、そして物語にいたるまで、完璧に計算されつくした作者のセンスに脱帽。日常が非日常に転落していく様は痛快であり驚愕。読み進めるのをやめられなるリーダビリティを発揮するとともに、主人公への共感が止まらない。読者が、このテロ事件がどのように解決するのかを見届けたいとも思うのは間違いないだろう。

しかし、これを読んで仕事をやめたいと思う読者がいるのか?

作者の落とし所に期待したい。

★★★ Excellent!!!

 日常に鬱屈とした不満を抱えていたサラリーマンが、出来心から会社の秘密を知ってしまい、大きな事件に巻き込まれていく。
 実にわかりやすく、そして感情移入しやすいストーリーラインだ。主人公である鈴木一郎は、極悪人ではないが、善人というわけでもなく、ちょっと一芸に秀でた部分があるだけの等身大の人間である。秘密を知るに至る過程も、実に小物じみていてリアリティがあった。

 そんな彼だけに、出来心が大事に繋がり、様々な方面から狙われるようになる展開はハラハラする。

 実は、なかなか事件の全貌が見えてこないという意味では、この小説は割と近視眼的な作品だ。だがそれだけにリアルタイム性とライブ感が強く、『生き延びる』という目先の目的だけに注目できる。
 こんな主人公を助けてくれる相棒ポジ、衛宮蔵人は、タフで過去に何かありそうな優男だ。なんとなくCVを小山力也で再現してしまうのだが、あまり間違ってはいないだろう。彼の正体も一癖ありそうで、物語のハラハラを強めてくれる。