★★★ Excellent!!!
少女たちは出逢い、論理をもって世界と戦う カクヨム運営公式
小学6年生に進級した八葉ハツルは親友と分かたれたクラス替え、その「正しさ」について疑問を抱いた。彼女は親友と共に過ごす時間を取り戻すべく動き出し――“論理”になることを志す転校生、士牙獅子トワと出逢った。
人が死なない「日常の謎」ジャンルはなによりもキャラクター性がものを言いますが、こちらの作品にもしっかりといますよキャラクター!
とにかくクールなトワさんは冷静論理系で、感情的で突っ走るけど、その根底に揺らぎない観察眼を持つハツルさんは情動論理系。
成り立ちは異なりますが、どちらも論理という武器を持っているのは非常におもしろいですね。
そして、こんなふたりを軸にした物語は、ごく小さなきっかけをこの上もなくドラマチックに展開してしまうわけです。
このあたりはまさに、キャラの個性と作品テーマが据わっていればこそ。
世の中の矛盾や大人の都合を子ども目線でぶった斬る様には、皮肉なカタルシスを感じずにいられません。
日常の謎好きな方は迷わずご一読あれー。
(秋こそガッツリ!長編4選!/文=髙橋 剛)